Back to RED ROOM (※BLOGはこちらから)
DARKSIDE MIRRORS(HP)
RED DIARY 2003.1〜3
2003.4〜12 2004 レポート(06.09.9UP!)


--RED DIARY--

My Heart is disappeared.

previous red diary


9月21日 地下の暗黒神秘体験


レスボスよ、暑くものうい夜の世界よ
眼のふちの黒い乙女ら、鏡の前に
仇花のわれとわが肉体恋うて
妙齢の熟れた果実を愛撫する
レスボスよ、暑くものうい夜の世界よ 
(ボードレールより)



今日の朝、蜘蛛の脱皮を風呂場で見つけた。
蜘蛛の残骸をぼんやりと観察しながら、私はたまらなく秋が恋しくなった・・・・。

暑苦しい季節が過ぎ去って、ほっとする。と言いたいけれど、まだ暑くてたまらない。
私の毒は蒸発しすぎて、まるでインドのコーラのようだ・・・。
ぬるくて甘い!ああ、もういや・・・・・!
でもやっと暦の上で秋がやってきた。
夏の終わりのセンチメンタルな気分にも早くおさらばしなくては、人生まで黄昏れてしまう。
ああ、早く革ジャンが着たい!!
寒い季節に革の匂いが香ると、私はたまらなく興奮してしまう。
革の匂いに包まれて、ひんやりとした感触に顔を埋めたい・・・。
我が家のブラックビューティ・ロクゼットと同じ気持ちだと思う。

ロクゼットは散歩中に遠くに革ジャン(または黒ずくめ)な怪しい影を察知すると、
ガっと丸い目を見開いて興奮し、黒い影の元に走ってゆくほどだった。
1本道の遙か遠くに黒い人影を見つけると、私は緊張が走り瞬時に手綱の鎖に力を入れたものだ。
しかし、大型犬は相当力が強い・・・・。むなしいことに何度と引き回されたかわからない。時に転倒したものだ。
きっとロクゼは、幼い頃から黒い革に囲まれて育ったから、革を見るともう自分の家族や仲間だととっさに思っちゃうんだろうな。



ところで、先週末、ある密教寺(空海の教えを説く寺)の地下霊園に遊びに行った。
この「秘密マンダラ大殿堂」のことを教えてくれたのは、バンドメンバーのケビン。
こんな素敵なスポットを教えてくれたケビンに心から感謝。
参加者は、ルーシーとケビン(とその仲間達)、そして秘密結社ラ・ムーと
暗闇を愛する者らが集まり・・・・総勢9人の勇者たちは真昼の2時半に現地に集合した。
メンバー皆ほとんどが夜型人間なため、寝ていない者もいて異様にハイになっていた。
私もこうして昼にどこかに出かけるというのは、1年に数回しかない。
興奮して、はしゃぎまくっていた。



いよいよ、私の番がきた・・・・・!
暗闇を堪能するため、少しずつ時間を置き、暗闇に続く地下の階段を下りていく。

地下に降りると、そこには暗闇のトンネルがあった。
しかも、曲がりくねっているため、壁伝いに歩いていくしかない。
だんだん、方向感覚が麻痺して、自分が今どこにいるのかわからなくなる。
自分と暗闇が同化されるみたいな感覚になって、毛穴がぶわっと開いて
体の奥でじわじわと覚醒していくような、そんな暗黒神秘体験を味わった。




完全な暗闇は3回訪れる。
暗闇に入ると私は心を裸にされた気分になって、深呼吸を何度もした。
そういえば、さっきお寺の人に「壁のどこかに宇宙と精神と肉体が繋がり三位一体となるという
金剛杵が埋め込まれている」という説明を受けていたのをはっと思い出し、
2度目の暗闇をまさぐると、あった!!ごつごつしたものが暗闇にあった!
ぎゅうぎゅうと強く何度も触った。願いごとをした。
家族の幸せと健康を祈った。


忌まわしい時の網目も逃れる暗闇はいつも私の精神状態をフラットにしてくれる。
いつだって一寸先は真っ暗闇。
だから暗闇は私の味方な気がする。
どんなに重苦しい恐怖に包まれたとしても、前へ進むしかない。

この地下霊場は、大日如来の胎内を表しているんだそうだ。
暗闇にはいると、四国霊場八十八カ所の本尊を祀っているんだとか。
約300体の仏像がまつってあるそうだ。
巨大な空海もいた。

最後の出口にドラが置いてあって、そこで「ゴォ〜〜〜ン」と鐘を鳴らした。
たまらない魅惑の音色を出すドラだった。夢心地でフラフラと階段を上る・・・。

外に出たら、日差しが眩しくて、あまりに普通の住宅街の光景にクラっとした。
少し遠くにデパートの看板が見える。
まるで異世界にワープしていたような感覚。
この感じ・・・パリのカタコンベから出たときと同じだ!
私はパリのカタコンベ(地下墓地)に誕生日に2度訪れているが、
そこでたとえようのない神秘体験をしている。
そういえば、パリのカタコンベの季節だなぁ。
・・・・無性に行きたくなった。

そういえば来月、誕生日だし、思い切って行っちゃおうかな?!
と一瞬思い立ったけど、冷静に考えたら、やっぱり無理・・・。
カタコンベの映像でも見るかなぁ・・・・と、2003年に行ったカタコンベで私が撮影したビデオ(45min')を見た。

このドキュメント映像の編集版(10分)をYoutubeにだいぶ前にアップしているので、興味のある方は見てみてね!
※実際には、編集しようとすると謎の吐き気によって作業を中断させられたので未完成のままUPされていますが・・(カタフィルは一見の価値ありです。)

EVIL /Catacombs of Paris (2003)

(song 'EVIL' : DSM Studio session '05 )

それはそうと、パリのカタコンベを舞台にしたホラー映画「カタコンベ」が来月頭から公開されるそうだ。
な、なに〜〜〜!!!!カタコンベのホラー映画とは・・・!
しかも幸か不幸か私の誕生日に合わせるように公開されるなんて、「今年はこれでガマンしろ!」っていわれてるみたい。(ぐやじい〜!)
映画の公開をちょっとだけ楽しみにしていようーっと!!!!
暗闇の中での恐怖を描いた映画といえば、少し前に公開された洞窟ホラー「ディセント」があったっけ。
あれは新感覚ホラーというか、とても好きなタイプの映画だった。(オススメ!)
近々見る予定のホラー映画は何かというと、ホラーの巨匠、 ウェス・クレイヴン監督作『サランドラ』(1977)のリメイク「ヒルズ・ハブ・アイズ」。「ハイテンション」の監督だから間違いないはず!
早く見たいなぁ〜。あと「ホステル2」も行かなくっちゃ。



それから、明日からDARKSIDE MIRRORSは、なんとライブ4連チャンです!
都内でこんなにたくさん(2日に一度の割合)ライブするのは初めてかも!

明日の夜が待ち遠しい〜!


Bela Lugosi's Dead ( BAUHAUS )


9月15日  TELEPHONEと赤い部屋の女

先日、エレベーターのPVでお世話になった屑山さんとゐぬつばきさんとLUCYとで夜の下北にて密会した。
屑山さんが今度11月出版するROCK × HORRORなファンジン「TRASH UP!」にDARKSIDE MIRRORSのスペシャルインタビューを組んでくれるという嬉しい話をいただき(ひゃっほう!お楽しみにー)、
インタビュアーのゐぬつばきさんと顔合わせを兼ねて雑談!
ワクワクしたひとときを過ごしました。

私はゐぬつばきさんと実は共通点がかなり多く、
ずっとお近づきになりたかった人だった。
今回インタビューしてくれるなんて感激この上ないです!
草間彌生で繋がり、はたまたサイコビリーで繋がり、ゴス論で繋がり、廃墟好きも然り。個人的には今度デートに誘いたい人だ。(なんて調子に乗って告白しちゃう・・。)
さらに、ゐぬつばきさんによるレクチャーで、「ナレコレプシー」つながりでもあったことが判明した。

ナレコレプシーとは、私のG調べによると

 『思春期前半のおこりやすい睡眠障害で、覚醒を維持できないことが特徴です。
起こるとカクッと(情動脱力発作)なります。』とある。
まぁ一種の睡眠障害のことで、特徴としては、以下の通り。
   ・過度の眠気と脱力発作
   ・日中に反復する居眠り
    → 金縛り、幻覚、自動症、夜間睡眠の分断

昼間、私は何度も不意にカクッと瞑想タイムが訪れる。
反対に夜は第三の目が開いて、調べ物に明け暮れ朝日が昇るまで眠れない。
この謎の病を克服しようと辛い思いをして病院に通う人も多いようだが、私はこれからもナレコレプシーと共に生きたいと切に願う。
不意に落ちたとき見る夢はとても不思議な夢や暗示的な夢が多く、ヘタな映画を1本見るよりも素敵なトワイライトゾーン体験ができるからだ。
あと夢マニアとしては、この浮遊感はたまらない。
潜在意識をコントロールする練習ができる。
アイソレーションタンクに入る日が来るまで、なんとか物にしたいと思う。

そして我々の談義は最終的に「盛り塩」についてで落ち着いたのだった。

私は週一で玄関に盛り塩しているんだけど、盛り塩してからというもの、体調、精神状態ともに良好なのだ。
盛り塩、本当にオススメだよ〜!

 

ところで、映像界のニューエイジ、ヨクナ・パトーファさんによって DARKSIDE MIRRORSのPV第2弾が完成しました!
曲はSTAY EVIL!!の10曲目に入っている「テレフォン」です! →PV

DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE   DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE

 DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE  

この曲は、私の見た夢をもとに作った曲で、あるストーリーが実はあるのです。

DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE

<その夢 (概要)>

洋服の青山の2階でスーツを選んでいると、下からショルダーバックを持った男が凶器を持っているという声が聞こえたので、とっさに窓からパイプをつたって逃げた。 店からは、悲鳴が聞こえた。
あちらこちらで、パトカーや救急車がサイレンと共に鳴っていた。
空は、どんよりしていた。
信号機も、目茶苦茶な点滅をしていた。
もうこの世の終わりかと思った。
携帯が見あたらないので、近くの公衆電話から女に電話をかけたらプップップップ という音がして故障しているみたいだった。
雑貨屋のおじさんは、従業員が「帰リます」という言葉にも耳を貸さず営業をしていたが、 誰かがこの世の異変を告げると慌てふためいて暗い街に消えていった。
ジョディ・コールマンがふと道路を見ると、一台の車が乗り捨てられていた。中に乗り込むと車のキーがささっていた。
訳もわからずエンジンをかけ、アクセルを踏む
(暗闇の高速道路へ・・・・)

DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE
<解説>
「WHO AM I ? 」逃げているのは「現実」からかもしれないし、
狂気の世界かもしれない。
テレフォンは、静寂な中の恐怖と狂気を描いてる曲で、
「ARE YOU OK?」の一言に「正常か異常か」もう1人の自分に
自分の正体を問いかけながら、じんわりと覚醒してゆく感覚と
そんな瀬戸際の焦燥感を曲にしました。

ヨクナ・パトーファさんは21歳の哲学科に通う大学生の傍らで、たった1人で謎のショートムービーを撮り続けている、私が今、最も注目している映画監督です!デヴィッドリンチを通じて知り合いました。
そして今回テレフォンが、彼女のPV処女作品となったので、とても光栄で嬉しく思ってます。一ファンとして、今後もどんどん刺激的な作品を作ってもらいたいです。

「テレフォン」は、曲のストーリーを元にヨクナの斬新な解釈が加わって、とても感覚的かつダークで暗示風なコラージュ映像に仕上がっていると思います。

ぜひぜひ見てください!
YOUTUBE
http://www.youtube.com/watch?v=xLhjqYbYqek

DARKSIDE MIRRORS PV -TELEPHONE-
-Directed by YOKNA PATOFA(欲名 鳩刄)

DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE DARKSIDE MIRRORS TELEPHONE

“THIS SONG IS SINGING ABOUT STRANGE AND BLACK AND RED"

Cast/
*DARKSIDE MIRRORS ( LUCY, JUNK, DEATH JOE, KEVIN)
*シンガー・・・・ LUCY MIRROR
*赤い部屋にいる女・・・・・ JUNK the RiPPER
*逃亡する男・・・・・ 高野竜 
*マンションにいる男・・・・・野澤健
左右対称シャドウ・・・・・松本亮介
lighting/松本亮介 大場ユウスケ  井上まりこ

YOKNA PATOFA OFFICIAL WEB(elvis-vs-demon-6over)
TELEPHONE (PV)
ELEVATOR (PV)


2006
9月8日 BLONDIE "FAREWELL" JAPAN TOUR 2006

昨日、ブロンディのライブに行ってきました。
もうサイコーでした!



デボラハリーはピッタピタの蛍光黄緑のワンピでクールに登場!
サングラスで目が見えなくて、ちょっとジリジリ(笑)
満員のお客さん、最初からもう大興奮状態!
あと、外人がすごい多かった!
コールミー!から始まって、ドリーミング、ハンギンオンザテレフォンと続いて。ぎゃー!です。
もうレコードと同じ声で生のブロンディーが目の前にいるんだもん。ひゃーー!です。失神しそうだった。

4曲目ぐらいにやっとサングラスとったら、うわーあのデボラハリーのあの目が!体はちょっとファットになっちゃったけど、いいのいいの。顔は痩せてて(頬のコケ具合がセクシー!)、ワイルドキャットな目は健在で感動〜!

途中、ハイヒール両方脱いで客席にポーンとか投げたりして! いいぞー!うわぁ〜デボラ姉御だーと思った。
ジョーイラモーンをはじめNYのロッカー達が皆彼女に夢中になったわけがわかる。
あとガンガン激しく踊りまくってて!性格はかなりワルでサディスティックにぶっ飛んでるって感じの仕草です。
すっとんきょんな表情がぐっとくる。 やっぱりブロンディーはリアルNYパンクロックなのだと再認識!

あと、「ちょっと水を飲ませてちょうだいね。失礼!」とかイイながら、水ゴクっとか一気。
客席から「Give me!!」の声が。「アッハーん!」とかそれに笑ったりして!あんな仕草、女でも惚れちゃうよ!いかすぜ、デビー!
それで、曲になるとドリーミンなんだもん〜ギャップがたまりません。

atomic 、夢見るNO.1、rapture (Doo Wop 調)、heart of glass とか大好きな曲を次々とやってくれました!
演奏はかなりアレンジしてたけど、やっぱ曲がいいなーとしみじみ思う。一緒に歌えるし最高。

ドラムやっぱりスゴイかっこいいな。タイトでフロア使いが最高だった!(必死でワザを目コピ!!)

めちゃくちゃ興奮した。
set list
(inst)
1.CALL ME
2.DREAMING
3.HANGING ON THE TELEPHONE
4.WILL ANYTHING HAPPEN
5.ATOMIC
6.GOOD BOYS
7.MARIA
8.MORE THAN THIS
9.TIDE IS HIGH
10.SCREAMING SKIN
11.DOG STAR GIRL
12.RIFLE RANGE
13.IN THE FLESH
14.RAPTURE
15.ONE WAY
16.MAGIC
17.PLEASE PLEASE ME
18.HEART OF GLASS

家に帰ったら、ドリーミンな気分が続いていた。今もずっと続いてる・・・・!



Rip Her To Shreds (Blondie)




  9月6日レッドルーム、パンク1秒前

ここまで来るのは、1年がかりだった。
古い物件限定で探し続け、ようやく見つけた念願の70年代物件!
47平米の鉄筋コンクリート建て。魅惑の1976年築!
L字型キッチン!LDKに寝室があって、トランクルーム付き!
家賃もまぁ手頃で、立地も今の部屋からチャリで6分。
壁の厚さもOK もうパーフェクトに近かった。

妥協をしないでここまで希望に満たした物件をやっと見つけたので、
あきらめないで本当によかった と何度も思った。
部屋のムードやインテリアも すでにイメージがあって
今の60's MONDO ROCKテイストを活かしつつ 
クールな50’sなサイドボードとかに目を付けていたりもして。

今月の終わりには、そこに住んでいるはずなのに・・・なのに・・・
ギリギリ契約の間際になって、大家からダメ出しが出た!
(土壇場で話をひっくり返したのは私だけど)

 

・・・・アー、浮かれてたから、このショックはでかいよ。。

まず保証人の職業差別があって、がたがたした。
これにはちょっと驚いてしまった。(こんなご時世に)
なんて失礼な大家なんだろうか・・・・。という一文が 
淡々と棒読み口調で頭の中をぐるぐるぐる〜。

それでも不動産屋のお兄さんには 目元も吊り上げないで
大人しく落ち着いた対応と笑顔を心がけて
契約までは、問題なく感じよく うまくやったつもりだった。

先週末、やっと入居審査もクリアしたので
もう新生活が始まってるようなルンルン気分で
契約する不動産屋に向かった。
が、当日、あれよあれよという間に急激に事態が悪化・・・。

いろいろとサインやハンコを押す間際にちょっと待った が。。。
この期に及んで、また大家がしゃしゃり出てくるとは・・・・!

(不動産屋が代弁して)大家が言うには
「そちらには、社会的常識が備わっていないのではないか」と心配しているみたいで(なにそれ?!)
「常識外の時間に音楽やTVを爆音で鳴らして近隣の迷惑に
なるんじゃないか」とそこまで頭ごなしに決めつけてて!(ひどいぜ。)

つまりは 大家さんがかなり不安がって貸すのを渋っているという。
どうもね、ちょっとビビっちゃってるんですよねェーー、と
語尾が長く細く小さく重く響いて、その言い方がキモくて内心オエーッ!だった。
一番そこ(音)が引っかかってるらしいんですよね・・・と、苦笑いされた。私も苦笑いした。
「心配ありませんよ。もちろん常識はあるつもりです。」などと安心させるような言葉をいろんな方向から言った。

それでも不満らしく、何か約束させて文書にハンコ押させようというバカバカしいやり方にも付き合って笑顔で優しく対応した
(今考えると、本当に腹立たしい。)

絶対100人中100人が好印象ってなぐらいに
めちゃくちゃ感じいい人だったはず なのに
最後になって クーラーの設置のことで 
もめてしまった。

もう1台クーラーをつけていいか というのが
唯一の私が出した希望だった。
それをfuckin'大家が「だめだ」と言い張っているという。
「えー!?!なんでダメなの?」と私は不動産屋にゴネた。
建物に傷をつけるのは嫌だから だという。。。。

思わず、はー??? だった。

『ドリラーキラー』じゃあるまいし 建物の中に適当にガンガン穴をほがすわけじゃないのに!
エアコンの穴がなぜ悪い?!
私は今までの屈辱に耐えた分、ここだけは譲れない思いで(暑がりだし)
「この広さでエアコンは2台は絶対に必要な広さです!」と食い下がった。
それでも頑なに拒否された。
せめてこっちの希望ぐらい1個ぐらい聞いてよ と思って
必死で対抗したけど無駄だった。
「いや〜、80代のご老体のおばあさんなんですよね。そこはご理解いただくしか・・」みたいなこと言われて終わり。

とんだクソババアだよ!クソッタレだよ。(暴言失礼)
(一度も会わなかったけど、会わなくてよかった!)
そんな融通の利かないヘンクツ婆さんに大金払ってやるもんか
常識だのなんだの持ち出して、見たこともない人を勝手に
想像だけでキチ外扱いして、キチ外はどっちだよ!と思った。
小綺麗な格好だってしていったのに 乙女心はズタズタだよ!!

我慢もそろそろ限界だったので、大金を渡す場面がきたとき 思い切って
「わかりました!もうじゃあ、やめます。白紙にしてください」と言って帰ってきた。(ちょっと勇気がいった)

下品な口調の不動産屋は急にオドオドしちゃってなによ〜フン!
ザマーミロだ!つぶれちゃえ!
あんな人種差別するジジババ達になんか絶対頭下げてやるもんか。
そんな罵倒のセリフとIGGYの「No fun」のラストの奇声を
頭の中でガンガンに鳴らしながら 私はブンブン手を振って勇ましく帰った。殺気立ってて相当怖かっただろうと思う。

 

考えたら 今の住んでる部屋には今月末までには出ます! 
ってもう言っちゃったし・・・こっ恥ずかしいな・・・。
明日電話して またお世話になるって言わないとなー はー。

あーあ、友達にもさんざん「引っ越す!」って言いふらしたのになぁ。
楽しい引っ越しパーティが〜〜〜!
(みんな、期待させてごめん。Mt.Gさんには「遊びに来て!」って言った矢先でしたが・・。レゲエパーティは先延ばしだね。)

 

絶望感に打ちひしがれて そのまま布団に倒れ込んだ。
もうここは足の踏み場がないから・・・ないというのに!

もうすでに新居に合わせて 60'sなフロアランプとか色々
ebayで買っちゃったよ(泣)
これどこに置くんだよ、ばかーー!(画像1
狙っていたお昼寝ソファ(画像2

こんな部屋の写真を見てはワクワクして色々妄想してました

なんだかもう 夢や希望が一気に灰色に燃え尽きちゃった。
一気に この1年物件探しに費やした日々と労力を思うと
ため息と・・・・疲労が・・・・ぐったりです。

・・・・みんなも夏バテ、気をつけてね・・・・



Touched (My Bloody Valentine)


8月17日NERO邸訪問!

深夜に車をぶっ飛ばせば1時間半で、軽井沢へ。
この3日間、軽井沢にあるNEROの家に遊びに行ってきました。
軽井沢については、ネロの口癖である「ジョンレノンが愛した場所」としてしか知らなかったのですが、さすがに避暑地といわれるだけあって、湿気ゼロ!夏でも涼しく快適!・・いいところだった。

NEROとはもう10年来の悪友ですが、別荘に行ったのは初めて!
リッチな別荘が所々に建ち並ぶ中でもNERO邸は異彩を放っていて、外国の映画に出てきそうな素敵な家でした。
南フランスを思わせる外観に内装もかっこいい吹き抜けのヨーロピアン・スタイル!さすが戸川山荘で、うっとりでした。

ここ1年NEROは週の半分はここ軽井沢で、残りの半分は都内(渋谷)という2つを行ったり来たりしながら生活しているのでした。
別荘というよりは、NEROの家に招かれたという感じ!
なんと贅沢な暮らしなのだろうか・・!
ため息がでるほど、羨ましかったです。
部屋の中のあちこちに怪しい書物やグッズが散乱しているので、まったく退屈しませんでした。
昼間はみんなでバーベキューをしたり、音楽を聴いたり、食っちゃ寝て近所の温泉に行ったり、森を探検したりして遊んだり。。特に夜はムード満点で最高だった!

 

それから、スカパーのHORROR TV(ホラーチャンネル)が思う存分見れたので嬉しかった。(私は設置工事を断られたくち・・!)
「バーサーカー」「怪人ドクター・ファイブス」「死霊懐胎」「稲川淳二もの」などをやっていたので見ました。
ロケーションがもう最高なので、たとえどんなにしょぼいホラーでも最高にスリル抜群!
あとついでに・・、どこから見てもホラーとは無縁な変なテイストの水着ギャル2人が映画の合間にちょくちょく出てきて(あれは何ですか・・!?)、カマトトっぽいべしゃりを見るたびに、「グロさがない!」「エロがたりんのじゃ!」「フツーっぽい!」などと好き勝手にケチをつけたり(笑)、あとはディスカバリーチャンネルでアメリカンチョッパーのドキュメントをぼんやり見たりしながら、まるで時が止まったような気分で贅沢なひとときを過ごした。


Red Bats With Teeth(Angelo Badalamenti-LOST HIGHWAY)





7月15日 死のスカイダイビング

ここ数週間、いや?100万年だったかもしれないが、日記をつけていなかった。その理由は1つ。夜、私は家にいなかった。もしかしたら、魂のない身体だけが家に置き去りになっていた。といった方が正しいかもしれない。
まぁ誰だってプライベートな事情があるってもんだわ!と・・・・意味のわからない戯言はこの辺にしておこう。
(ps.レッドダイアリーの更新が停滞したことで、心配したメールをくれた皆さん、どうもありがとう。嬉しかったです。心配ご無用ですわよ!さらに闇が深くなりつつある今日この頃・・。今後は時々ひっそりと更新予定。毒は極力抑えめで!が私の今月のテーマです。)


そのあいだに起きた出来事を回想すると、私の周りでは1日に3回はとある事件が起きていた。
ここでいう事件とは、血なまぐさいものではない。
私のまわりで、次々に人生に迷いをきたした人たちが壊れていった。夜になるとレッドルームに、しきりに電話やファックスが鳴り響き、私はそのたびに忙しく対応した。そして出来る限り現場にかけつけ、最良の薬を施すナースに徹した。ソニータイマーが切れたのか?と思うほど、同時期にヒュウ〜〜ンと、私の大好きなパラノイヤスター達がスーサイドしていくのだ。私は緊急ナースステーションにいる気分だった。
そんな毎日を送っていながら、一方で私は愛に満たされた毎日を送っていた。そして悪魔の呪縛からは逃げ切れなかった。

私は何でもストレートな性格なので、悪意などがなくとも、ここに事件のほんのエピソードや私の感じたことをちょっぴり書くだけでも、ねじれた問題を余計にこじらしたり、誰かを傷つけてしまうおそれがあった。
つまりは、口は災いのもと、である。そういうわけで、これまで断固として完全なる黙秘を貫き通していたんだけど、正直書きたいことがありすぎて、書きたくてたまらない欲求が抑えられなくなってしまった。


そんなふうにためこんでいくうち、気づけば数ヶ月が過ぎ、私に降りかかっていたパラノイヤ問題は、ある日、何事もなかったかのように一気に消えた。
たぶん・・・物事とはそういうものだろうな。
昨日、お昼の雷の音が最高だったので、やっと久々にここに書こうと思う。

ところで、いつからか私は「夜、眠らない病」にかかってしまった。
NIGHT PEOPLEである!不眠症ではない。なぜなら、昼間になると強烈な睡魔に襲われ、所かまわず私は眠りに落ちた。本当に、所かまわず!ひどい時は人と話している最中とか!自分でもありえない失態だった。
毎日そんな失態を恥じながらも、夜になると私の目は凛々として、まるで何かに憑かれた夢遊病患者のように夜の世界を徘徊していた。眠れないのではなく、夜、眠りたくないのだ。今夜こそはおとなしく眠るぞ・・・昼間の太陽を見ながら、そう固く誓いを立てても夜の魔力には勝てない・・・。


昨夜はネロが毎月やっている青い部屋の「ワルプルギス」というゴス・パーティにぷらっと潜入した。ワインを1本手みやげにネロと悪魔話に華を咲かせ、名も知らないイカレタ格好の外人ら数十人とゾンビのように戯れて夜を明かした。ネロからミラーズに対する熱い思いや野望を語られ、胸の奥がじぃーんとしてしまう。親戚のおじさんみたいな存在でバンドのことを見守ってくれてるから心強い感じ。
今だからいうと、数ヶ月前、私とネロは、お互いの主張を譲らず、刺すか刺されるかといった極度の対立状態まで発展していた。彼はストレスまたはフラッシュバックという名の狐つきが原因で精神のバランスを崩し、レコーディングやリハ中に奇行を繰り返していて、ライブ当日まで行方をくらますような危険な有様だったので、私はバンドのリーダーとしてバンド活動に支障をきたす状況はなんとか回避させなければいけなかった。一緒にやれないのはつらいけれど、これ以上狂犬のネロに鎖をつけるのは限界だなと悟ったのはライブの前夜。彼に電話をかけて、明日は来なくてもいいことを告げた。ネロをバンドから一時的に離れてもらうことが彼の最悪の事態を回避する最善の策だったからだ。
突然の彼の脱退に驚かれた方もきっといることでしょう。とはいえ、彼がダークサイドミラーズのオリジナルメンバーであることに今も代わりはない。誰も代わりはできない。そうみんな思っているので、この先、どこかでまた一緒に活動する日がくると思う。ただ今は、この距離感がお互いにとても心地よいので、しばらくやりたいことを追求していければいいなと思う。今月21日のネロのソロライブにはルーシーと死神ジョーと3人で見に行くつもり。どんな暗黒世界が繰り広げられるのか楽しみ!


先週、シドバレットが亡くなった。60歳だそうです。心からご冥福をお祈りします。
私はピンクフロイドはあまり聞いたことがない。最初に聞いたのが、SYDの方だったからかもしれないけど・・なんというかちょっと苦手なのです・・。SYDのTHE MADCAP LAUGHSのレコードが大好きで、夜になるとよく聞いた。彼の音楽を聞いていると情景が頭に浮かぶ。彼が描いた絵をいつだったか見たことがあった。黒い蜘蛛が白い背景の上にグジャグジャにうごめいている絵。かっこよかった。実はこのレコード以外のシドは所有しておらず、聞いたことがなかった。一人でシドの追悼をするべく棚からようやく『帽子が笑う・・・不気味に』を見つけ出して聞いた。1枚のアルバムをつるっと聞き終えると、切なさがこみ上げた。私は彼の作品をもっと聞きたい衝動にかられ、町に飛び出した。目指すは家から5分のユニオンへ。Sコーナーを探すが、どこにもない。プログレコーナーを見てもない。ピンクフロイドコーナーを見てもなかった。20分ほど辺りを探索し店員のお兄さんに「シドバレットはありますか?」と聞いたら、勢いよく「Jポップコーナーの隣ですねー」と軽い口調で言われて、思わず絶句した。「・・いや。たぶんそれは違うやつだと思いますけど・・」(一体、何と間違えているのだろうか?!)と言うと「ああ!シドバレット!」とオウム返しのように淡々と言い放ち、足早に立ち去った先はパソコンの前。。どうも在庫を検索してるっぽかった。なんだかなぁ・・がっくししちゃうなぁ・・と思って待っていると、ささっと戻ってきて、「うちにはちょっとありませんね」とアッサリ言われたので、すぐ店を出た。
気温が高いせいもあるのか、とても後味が悪い思いで、次の店へ。それっぽい棚を端から端まで探しながら、やはりない。こうなったら絶対一枚買って帰らないと気が済まなくなり、もう一軒。結局3軒回ったけど、1枚も買うことはできなかった。そこで疲れ果てた。どうでもよくなって、今度ジョン(犬)さんが前座をするスパークスの中古CDを買い、帰りながら店員のお兄さんの言葉をついつい思い出す。「腐ってる!」で、終わりにする。
でもやっぱりなんとも悲しい気持ちになった。
そして・・・・家に帰って、無性に聞きたくなったSYDを聞いた。さっきよりも切なさは増していた。


Long Gone (SYD BARRETT)




5月15日 ホラー映画監督・ノーマン

昨日、山梨県で怪奇現象らしき奇妙な出来事にあったので(割愛)、帰って来て家に入るとき、念のために玄関で体に塩をまきました。
「悪霊退散!悪霊退散!」「シッシ!」とつぶやきながら、塩を体に投げつけたら、なんかスッキリして身が清めらた気分になったので、あともう少し真剣にやろうとドアの前で・・そんなことをやっていたら、「エミリー!」と声がするので振り向くと、同じマンションの上に住んでいる気になる外人が指を指しながらこっちに向かって近寄ってきたので、心臓がドキッ!
何事かと思った。

私は彼について、とある情報網により「名前:ノーマン、職業:映画監督」とだけわかっていた。双子の姉にも前から「ちょっと気になる外人が上に住んでる」とたまに話題にする、私の周りの怪しい人物トップ10。
ノーマンは、昼間コーヒーショップでよく珈琲を飲みながらノートパソコンを広げて、寝ぼけ顔で難しい顔をしているのをよく見かける。

映画監督だっていうぐらいだからストーリーでも考えているかもしれない。私はそのストーリーを色々と想像して勝手に楽しむのが、彼と町中で会ったときの密かな楽しみだった。
いつからか、すれ違うとき「ハァ〜イ!」と挨拶する程度の間柄になって2年ぐらい過ぎ、それでも笑顔がプラスされるぐらいで、お互いそれ以上は関わりを持たなかったが、いつか話してみたいときっかけをねらっていた。なぜなら、彼のちょっと怪しいアンダーグラウンド・テイストの服装(細身のブラックジーンズにNYパンクバンドT)と情けない形のおたくっぽいメガネの風貌に、映画に出てくるロックンロールDJかマニアックな音楽ライターっぽくて、好感が持てたからだった。

また彼の顔を見ると、私は「悪魔の赤ちゃん3」や「バスケットケース」のような映画を何故か連想させられて見たくなるのも気になる要因の一つだった。
そういうキッチュな胸キュン・モンスターやフリークスがでてきて切ないストーリーの映画が似合う(・・というのは、人が良さそうな情けないオタク顔だからでしょうか。)
あと、イメージとしては、勝手にスティーブ・ブシェーミ・・・(あ、ちょっと美化されすぎかも)
彼の部屋は足の踏み場もないぐらいのビデオの山に囲まれていて、きっとそのどこかにハマー社のフランケンのフィギアが埃をかぶって横倒しになってそう・・、とかしょうもない想像をしては、勝手に楽しくなって私の好奇心は、かなりかき立てられていた。

ま・さ・か、このタイミングだったとは!
ノーマンは近寄ってきて「見て見て!」と何か差し出した。手の平にはEmily the Strangeのキュートなキーホルダーがついた鍵が乗っていた。そのとき私が肩からエミリーの布バックを提げていたので、それに反応したっぽい。
内心、その行動力には、さすがだなぁとリスペクトものだ。
自分の好きなものを身につけているからってフレンドリーに他人に話しかける勇気は、私は・・ないな。

で、エミリーのどこが好きか、テンション高めで語り始めるので、どうでもよくて、me too!とだけ返した。(そんなことよりも)すかさず、チャンスとばかりに私も質問し返し。
「前のタバコ屋の親父から聞いた話なんだけど、あなたは映画監督なの?」
と、ノーマンはシビアな顔をしながら「yes,自分の映画はまだ1本しか撮ったことないんだよ。でも映像の仕事をしている」という!
「もしやそれは・・ホラー映画でしょ?」とズバリ聞きたかったことを聞くと、なんと私の読みは正しかった!
当たり前に「そうだけど(それがなに?)」の返事が(嬉〜)。

今度ソニーピクチャーズから出る「ジュゴン(※?)」の編集を今やってて、これから家でまた編集作業があって、だるいというグチや日本では公開されないんだけど・・などと英語がオールイングリッシュに変わり、すごいスピードでどばーっと語られた。
(「ジュゴン」ってあの呪怨、前にやたらCMしてたJホラーの・・白塗りの子供が出てくる映画のことだろうか・・?!面白い映画なのかな!?そのリメイクでも作ってるのかなぁ?)などと考えている間に、もう次の話題に。
あとフランス人だと思っていたら、NY出身の45歳のアメリカ人だったことがわかった。
NYと言えば、ラモーンズ。
挨拶代わりに「ラモーンズ、好き?」と尋ねたら、「当たり前じゃないか」という顔をしながら91年にCBGBで見たというライブの思い出を語り始めた。それはスゴイね・・と興奮して聞いた。また、ラモーンズのプロデューサーと一緒に昔バンドやってたとかビックリエピソードが飛び出すので驚きで、「それってダニエルレイのこと?フィルスペクターなわけないよね?」と知ってる名前を挙げまくったがどれも外れたり・・と話題が尽きず。
最後は、あの曲いいよねとお互い好きなバンドの歌の出だしを一緒に歌ったりまでしちゃって、一気に打ち解けてしまい、バイバイのタイミングさえなくすほど盛り上がってしまった。
なんか変な人で面白くてもっと話したかったけど、魔を祓ってる途中の右手グーのまんまで、握った手の中の粗塩のことが気になってソワソワしてきていたので、また今度ゆっくり話そうよ!と切り出して、お開きに。

シーユー!と左手を打ち合って、ノーマンの後ろ姿を見送ったら早速、また事を再開しました。

しかし、こういうのってクランプス話で盛り上がったヤギヤスオさん以来かも。しかもこのタイミング・・・ほんとにホラー映画監督みたいだし、音楽の趣味も合うし同じマンションの住人だし、ちょっと嬉しい衝撃!!
次にまた会うのが楽しみ〜!




Action Woman(The Litter)



3月5日 記憶と尖ったフォークの先

ある一人の女が記憶をたどるのをしばらく恐れていたのだが、そろそろいいんじゃないかと思って、あることについて・・・・ピーーーーーー。


あることは、ある衝撃を残していたから、それについて考えるのが怖かった。
何に恐怖を抱いているのか考える前に、何かの拍子に「あれ」を連想してしまうと、私は反射的に思考をストップさせた。一つの防衛手段である。
しかし思考はストップした中で、ある言葉が私の空っぽの頭にスーッと入ってくる。
「あれは相当なダメージだった。」と顔のない男の前に立った白衣の男が棒読みでしゃべっている冷酷な声が体の中を突き抜けて、頭の中をミミズがはうようにゾワゾワした感触がおきる。

私は、目を閉じてミミズが頭を這って消えていくのをじっと待ちながら、体の力がだんだんと抜けていくのを感じる。低い電流を体に流しているかのように手足がピリピリした。

「あれ」について考えるのは、もうそれだけで十分だった。
これ以上は、もう考えないようにしよう・・そう心に決めていた。

だけど、好奇心があった。恐怖より好奇心の方が強かった。
好奇心が引き金となって、いい加減学習すれば?って自分に言いたくなるけれど、好奇心が押さえきれなくなって、それはまるでスリル患者の発狂の瞬間だ。

フォークが私の眼球の真ん前に突如現れた。ステンレスの尖った先4本を突きつけながら男は私に言い放った。「ふざけるなよ!」
私はギョッとしつつも0.5秒で呼吸を整え、「・・・ジャンキーもここまできたら、もう後がないわね。」そう男の狂った目の光に向かって笑いかけた。



the end 
頭の中でこの言葉ばかりがエンドレスでぐるぐるまわっていた。



Take Me With You Darling, Take Me With You (Brian Jones Presents: The Pipes of Pan at Jajouka)





1月22日 マーキーラモーンがやってきた!


ライブの感動はうまく伝えられそうにないので、デジカメで撮りまくった写真でフォトレポート!
※クリックすると、写真がでっかくなります!


☆MARKY RAMONE TOUR IN JAPAN 2006☆

1/15 FUTAKO, TOKYO, JAPAN PINK NOISE
1/16/06 INAGE, CHIBA, JAPAN K'S DREAM
1/17/06 SHIBUYA, TOKYO, JAPAN CLUB VUENOS
1/18/06 YOTSUHASHI, OSAKA, JAPAN KING KOBRA
1/19/06 ANJO-SHI, AICHI, JAPAN RADIO CLUB
1/20/06 HAMMATSU, SHIZUOKA, JAPAN FORCE
1/23/06 NEYAGAWA, OSAKA, JAPAN VINTAGE

Setlist:

01. Rockaway Beach
02. Teenage Lobotomy
03. I Don't Care
04. Sheena Is A Punk Rocker
05. Havana Affair
06. Commando
07. Beat On The Brat
08. 53rd & 3rd
09. She's The One
10. The KKK Took My Baby Away
11. Pet Sematary
12. Rock 'N' Roll High School
13. I Wanna Be Sedated
14. Psycho Therapy
15. Chinese Rocks
16. Gimme Gimme Shock Treatment
17. Judy Is A Punk
18. Today Your Love, Tomorrow The World
19. Pinhead
20. R.A.M.O.N.E.S.
21. Poison Heart
22. Blitzkrieg Bop



やたら螺旋階段が多いクラブへ初潜入!場所は渋谷のクラブCLUB VUENOS にて。マーキーラモーンを待っている所。


ハッピーディスパッチのヨースケとルーシーと
今か今かとはしゃぐ私たち!


いよいよライブが始まった!!ギュウギュウのお客さん!後ろを振り向けば、凄い暴動が・・!

もうマーキーに釘付け!!

この余裕にハイハットのビート、バスドラがたまんない!




終演後、VO.のDAVIDを囲んで、家族で記念撮影!

ディヴィッドは、若いときのマーキーに
似ている。と思った。
★楽屋にて

マーキーに「still drumer?」と聞かれたので、もちろん「YES!!」と答えました。嬉しかった!
3年前に来日したときに、恐れ多くも「Practice!( ガンバレヨ!)」と激励をもらったのですが、今日までドラム続けててほんとによかった・・・!と思う瞬間でした。


ちゃっかり自分のスネアを
持参していた私は、なんと
マーキーにサインをもらってしまった!

生きててよかった!!

自慢の70'sラディックちゃんを見て
「ナイス!!」と言われて、またまた興奮!
自分でカスタマイズしたところを
はじめて褒められたのがマーキーだなんて、
うおおおー!!もう泣きそうです・・・感無量です!
マーキーのやさしさに感激でした。


み、み、見よ・・・!
HEY HO LET'S GOの文字が!!
目の前でマジックで書かれていく瞬間、
私の心臓はもう爆発寸前!
頭の中は発狂寸前だった!!



この感動はとても言葉にできません・・!
スネアの裏側まで・・!!!

スネアのサイドにも
「マーキーラモーン」!!!!
なんとなんと合計3カ所にサインを
かいてくれたのです!!
9歳でラモーンズに出会い、
ラモーンズに一生ついていくと決めた私ですが、
こんな衝撃を体感していいのか・・
ああ信じられない思い!
もう家宝です。



Marky Ramoneがやってきた。ラモーンズのドラマーであり、ヴォイドイズのドラマーであり、私にとってマーキーラモーンことマークベルは私のドラムの・・・いや、人生の師匠である!!
マーキーラモーン来日!!これはなんとしてでも行かないわけにはいかない。私は革ジャンをはおり自分のスネアを背負うと、タクシーに飛び乗り、マーキーが演奏するというきいたことのない渋谷のクラブに出かけていった。
会場につき、当日券を買って中に入ると、至る所に革ジャンを着た気合い入りまくりのラモーンズファンがたくさんいる!これまでに体験したラモーンズのライブの光景を思い出して胸がワクワクする。前回はミスフィッツの来日でなぜかドラムをマーキーが叩くという噂を聞きつけて駆けつけた。しかし正直なところ、ライブに行ってショックだった。やはりラモーンズファンである私はマーキーがミスフィッツの曲(それも後期)をやるのなんて見たくはなく、オーディエンスのノリも含めて、なんだか「こんちくしょー!」という気分にかられたからだった(詳細省略)。
やっぱりラモーンズのドラマーとしてのマーキーじゃないとだめなのだ!!ライブの帰り道、そう何度も確信しながら、ラモーンズのライブがもう見れない悔しさにむなしくなったっけ。

しかし!!なんと・・・!!
今回のツアーはオールラモーンズナンバーでやるという!!私の胸はドキドキ興奮していた。
そして実に3年ぶりにマーキーに再会できる日がやってきた・・・!
私は最前列の左スピーカーの目の前に陣取り、かじりつきでライブを見ることに見事成功した。ライブは最高だった。巨大なスピーカーに体が押し付けられ耳がヤられて、しばらく使い物にはならなくなったけど、目の前で繰り広げられるオール・ラモーンズナンバー!そして、ジョーイのVOを研究していたという噂のVo.DAVID!彼はまだ20代後半ぐらいのナイスガイで、マーキーのバンドのローディの友達だという。感動だったのは、ジョーイのVoがあれだけ素晴らしいだけにラモーンズナンバーを再現したところで少々違和感があるのではないか・・と不安だったのだけど、そんな不安もライブが始まった途端にふっとんだ!素晴らしかった。目の前で奇跡が起きていた。目を閉じると、ラモーンズのライブが脳裏にぐわぁ〜んとオーバーラップし、正真正銘のラモーンズショウをまた体感できているという夢みたいな気分とライブの興奮と目の前にマーキーがいる感動で、何度も涙がじわじわ出てきた。直にマーキーの力強いくっきりとしたドラムの音圧をバフバフを全身で浴びるなんて・・・これはもう言葉で形容できないぐらい最高の贅沢なひとときだった!そして手に取るようにわかる至近距離でのマーキーのハイハットさばき!特に手首の小刻みな信じられないぐらいのリズミカルな動き!しかも顔はスマイル!!何度も息を飲んだ。とにかく大興奮のライブだった。


ありがとう、マーキーラモーン!!また来年もマーキーに会えますように!!

追伸。
私は悩みに悩んだあげく、ある決意をした。スネアドラムの皮を張り替えずに、週末のライブに挑もうと思う。
一度だけ!やっぱり一度だけ、使いたい・・・!マーキーが書いてくれたサインを見ながらドラムを叩きたい!


The KKK Took My Baby Away (RAMONES)



12月30日 黒いブーツでぶっとばせ!

今、シャングリラスを聞きながら、暴走トラックを待っています。
そのトラックの荷台には、たくさんの荷物が乗っている。
私はそれを積みおろすんだけど、サイアクな気分でなんてこったになるんじゃないかとか絶望にかられるんじゃないかとか、頭が吹っ飛ぶんじゃないかとか思ったら、ちょっと不安になる。でもこれが辛いなんて思いたくないわ、フン!
だってシャングリラス最高だもん。夢の中で踊っているみたいだし、何の問題もないわ。

昨日は高円寺のジロキチで最高のブルースバンドの演奏を聴きに行った。BABY PLEASE DON'T GOは興奮だったな・・!ELMORE JAMESのSHAKE YOUR MONEY MAKERも最高だったし。


「シャングリラスについての想い」で今年を終わりにしたいと思う。
シャングリラスの曲ってほんとカッコイイのだ。

小4ぐらいのころ、maybeというカバー曲が一番のお気に入りで、一緒に歌いたくて、家に出入りしていたパンク兄ちゃんに無理に歌詞を耳コピしてもらって紙にカタカナで書いてもらい(意味不明のカタカナ語だった・・。)それを見ながらよく一緒に歌ってたのを覚えています。勝手に甘く切ない恋の歌だった。

大人になってからちゃんと聞くと、ガールグループでこんなアバンギャルドな試み(Past, Present And Futureみたいなまるごと台詞の悲しい曲とか、暴走族のリーダーの彼氏との出会いから死別までを描いた曲とか、恐ろしいムードのS.Eを使ってひたすら暗くてダーティな曲を歌っていたり)に衝撃を受けた。
だるそうな歌い方と踊りにも共感する。それから、シャングリラスは3人組だと思っている人もいるかもしれないけど、実は4人グループなのです。約1名ライブ嫌いで出不精で・・滅多に人前に出たがらなかったそう。・・・と、そんな自由なところも好感がもてるじゃありませんか!

 

もちろん、ニューヨークドールズがカバーしてるGive Him a Great Big Kissのようなメチャクチャやってる楽しい曲も好きだけど、シャングリラスって、60年代のストーンズが持ってる不良でデカダンスなムードが丸ごとあるかんじで、ロネッツよりワルでひねくれた感じが、魅力的だなぁと思います。

まだきいたことない人は、ぜひベスト盤をおすすめします。



終わりよければすべてよし・・ということで、 怒濤の1週間が過ぎ・・・実はショックな出来事があって、まだつまるところ、ふと我に返ると今も落ち込んでいるわけなのですが・・・そこにこう、シャングリラスの闇ソング(I Can Never Go Home Anymore とかRemember )を持ってくると、
ミラクルなことに胸に気持ちよく切な〜く響くのです・・。

頭の中では、ザーザー雨が降っていて、
やみそうもないというのに、
シャングリラスの曲はなんてこんなに心地よいのかな・・うーん胸がうたれる・・・・。



さぁー今年ももう終わりだし・・やりたいことをやりたいだけやろーぜ!
私はこの一年、とても充実しました。お世話になったみなさんに感謝の気持ちです。

N.Y.R.Fで今年も一緒に年を越す皆さん、合い言葉はロックンロールで!


Remember (Shangri-Las)

 


12月22日 信じられない出来事


ちょうど楽しいパーティが終わって、ほろ酔いになって一人後片付けをしていた時だった。一本の電話が鳴った。
信じられない出来事が起きた。
夢じゃないのに信じられない。どうしたらいいのだろう。
ずっと頭が混乱しているまま、時だけふつに過ぎてゆく。まだ涙も出ない。


12月18日 奇妙なシグナル

髪を切ってショートにしたせいか、数日前、首がブルブルして風邪をひいてしまった。
まだ調子が悪いので、一日DVDばかりみながら部屋でだらだらしていたら、あっという間に真っ暗に。。しばらく慣れるまでは、室内でもマフラーが手放せない・・・。

ところで最近のビックリ出来事!
ミラーズレコーディングの最中、ポルターガイスト現象がおこった!!
悪魔ソング「チャンネルノイズ」のノイズ重ねを録音している深夜の出来事だった・・。
録音中に天井照明が勝手に突然ついたり消えたりする現象が!・・・それは興奮ものである!
私たちはいつもスタジオの天井照明は眩しいので薄暗くして目に優しい色にしている。部屋の外から見ると、1つだけ暗い部屋があるので怪しいのか隣のお客さんとかに覗き込まれることも時折あるのだけど、煌煌とした明かりの中で演奏するのはみんな恥ずかしくて苦手なだけで、悪魔的な儀式には近いものがあるかもしれないが、別に中で不健康なことをやっているわけではない。(念のため)
電気がパっといきなりつくのは、スタジオのお兄ちゃん=モリタンが入ってきた終了時ぐらいで、いつもそれをやられると、「突然なんだよ!」「不法侵入だ!」などとみんなで抗議する(さぞ図々しい客であろう・・)のだが、勝手に明るくされると、電気の眩しさにビックリするし、冷めるし、嫌なのだ・・・でも今回のはそれとも違った。

まだ鮮明に覚えているので、どういう感じか書いてみると、
時間は長いものに感じられたけれど、実際は10秒か20秒くらいだったかもしれない。室内の電気が、突然明るくなり全開の明るさになったと思ったら、今度はだんだんと暗くなっていき真っ暗に。するとまた電気がパァーっと明るくなって明るさ100に!そしてまた真っ暗に。それからゆっくりと薄暗い明るさに戻った。最初に明るくなっていく瞬間、「あれ?」となって、天井の灯りやドア付近を皆でじーっと見つめたが誰もいない。また暗闇になって2回目に明るくなったときは、「なにこれ!!」と全員無言のまま真顔で顔を見合わせてしまった。
その現象が終わって、「なんだったんだ・・今のは?!!」と言い合いながら、またみんなでドアの方を見たけど、誰もいなかった。
これまでも同じ部屋で何度か電気がカチッカチッと微妙なタイミングでついたり消えたりする現象は過去に数回あって、まるで誰かがイタズラしてるみたいでカワイイ感じで笑えたし、深夜だし、スタジオはもともと出るっていうから、あまり気にしたことないのだけど、今回のは、なんかいや〜な感じがあった。明るくするタイミングというか一連の乱れたテンポが、機械の誤作動的というよりは手動的なのだ。明るさの調合のつまみを誰かがいじってる感じで、陰湿なネチっこい感じがした・・・。早速、録音していたノイズギターをプレイバックで全員で聞いてみると、心霊現象もあったせいか、なかなかおぞましくて、恐怖感を煽られるムードが●。もちろんこのテイクを採用することに!
ネロは自分の録音の最中にポルターガイスト現象が起きたということで、ニヤニヤして「やったぜついにきたねー!まぁ悪魔ソングやってりゃあ、きて当然だよな!」とか言って相当興奮して、「スタジオ代タダにしてもらおうぜ」とか訳の分からないユスリチックなことまでついでに言っていた。

わたしは敏感な体質なので、嫌な気配を感じると背中がゾゾーっと鳥肌がたって「きたきた・・!」とわかる質だ。こんかいも久々に背中がサーーっと鳥肌が立って、しばらくたってその気配が消えたけど、あきらかにさっきまで何かが部屋にいるのを感じた。

私は、神秘の世界に首を振り、超自然現象を「世の中には科学で解明できないことはない」とか「正体を暴く」などとわざわざ公言している人種ってキライ・キライ!だって、そんなのつまんないもん。「ボクは興味がないし、どうでもいいよ」って素直に言えば、ああそう、で終わるのに、科学だとか小難しいことを持ち出してきて、なんなんだ・・。第一、心が狭い!信じる信じない別として、「あなたの知らない世界」があったっていいじゃないか!実際にあるところにはあるんだし、たとえそれが100歩譲って妄想であってもいいじゃないか!!って思うのだ。それに・・夢がないように思う。
だから、心霊番組とか見ないようにしているが、ついつい見てしまっても、コメンテーターとか出てくるとイライラする。ああいう賛成派と反対派が衝突するようなおもしろがったTVはキライだ。じゃあ、お互いほっとけばいいじゃんと思う。必ず否定派が出てきて偉そうにケチをつけてしゃべってるのも、だんだんむかついてくるし・・。私は反対派だろうが、信じないだろうが他人ならどうでもいいんだけど、選択肢までも否定する行為には反したいし、正直やっぱ身近な人が反対派だとちょっとね・・チって感じ。なんか矛盾しているきもするけれど。エンジニアのイサボンは霊感ゼロで超常現象にも否定的なのだが、今回に限っては「今の一体なに〜?・・理解不能なんだけど〜」と怯えたので「これは・・!!」と嬉しくなり、絶好のチャンス到来と新倉岩雄さんばりに冷静な面持ちで説得に入った!(説得というか・・神秘の世界へいざなった)。少々熱くなって経験談をまじえながら語り倒してしまった。「ほらねー!わかったでしょ?」とさいごに念を押すと、「うんそうだね・・」と重たい返事が!どうも確信して納得して言っているらしかった。これでやっと胸の中のつかえがとれた気分で一安心。やっぱりダークサイドミラーズのエンジニアをやるにあたって、スプーン曲げぐらい朝飯前だぜとは言わないまでも、アナザーサイドの存在ぐらいは寛大な心を持っていてもらいたいのである。


でもこういった心霊現象を言葉で説明するのは難しいなぁー。大げさに説明すればするほどうさんくさいので、さらっと書いてみたけど、やっぱりあの場にいた人じゃないと、あの恐怖は伝わらないかも・・うーん。でもしゃべっても無理かも・・稲川淳二のようなベテランの恐怖ストーリー・テラーじゃないし。
それにしても奇妙な出来事だったな。レコーディング始まって以来のポルターガイスト現象だったこともあって、ちょっと嬉しくてホクホクしてしまった。

あ、あんまり関係ないけど、来月の1月13日のライブは「13日の金曜日」ということでグッドマンからお誘いを受けました・・。ジェイソンの夜だそうなので、よかったら遊びにきてください!

Voices Green And Purple (The Bees)


12月11日 年末がやってきた!

そういえば、今年もあと少しで終わりだ。なんか、あまり年末っぽくない気がする。
気分転換に思い切って髪を切ってみた。しばらく髪を伸ばしていたんだけど、いつのまにか胸に届きそうなぐらい長くなって、最初はなかなか新鮮だったんだけど、けどやっぱり長い髪は気分まで女々しくなりそうでいい加減うざくなったので、バッサリやって気分爽快!!といっても、美容師さんが躊躇してちょっとずつしか切ってくれないので、「もっと、いやもっと!」を連発してたら、やっぱりショートボブになった。いつもの髪型に戻った気がして落ち着く。20センチも切るのは久しぶりだし、後ろ髪にバイバイした感じでスッキリした〜!

そうそう。年末だからって別に焦らなくてもいいんだよね。別に普段と同じ生活でいい。
1年の終わりが来るからって、別にね・・掃除は日頃からやらないと、そりゃいつかホコリだってたまるわけだし、たまってからやるとダルい洗濯とおんなじで、年末だからって大掃除っていうのも、なんか気が引けるよなぁ〜。今のうちからちょこちょこやろうっと!
私にとっての師走とは、やり残したことに焦りを感じるよりまず、思いついたこと、楽しいことから順に思い残すことなくやりまくる時期だ。だって、いつ誰に深夜の暗い路上でメッタ刺しにあうかわからないご時世なのだし、何かに追い立てられるのは疲れるだけで何もいいことがない・・・というのがこの1年を振り返って経験に基づく施策である。というわけで、マイペースでゆったりいこう。


というのも最近、今年初の忘年会があったので、「あーもう年末なんだなぁー」ということを意識させられたのだった。
先日、トラッシュマウンテンビデオの屑山さんに怪しい忘年会に誘われた。
日本が世界に誇るgiallo映画の研究家であり、莫大なジャーロ作品データ宝庫の孤高サイト「yellow」をやられている映画ライター・山崎圭司さんや心霊映画監督である(が裏の顔は白衣のポッケにメスを隠し持っていると思われる)織田淳さん、あと柳下毅一郎さんや伊東美和さんや中原昌也さんらホラーを愛する異端・毒舌・少数派な面々20人ほどが都会のど真ん中の薄暗い旅館の宴会場のようなガラーンと寂れた穴場スポットに集まって歓談するという・・それは恐ろしく怪奇な忘年会だった。
(※gialloっていうのは簡単にいえば、ダリオアルジェントの映画をはじめ、音楽もムードあって、かっこいい黒手袋の殺人鬼が美女を殺害するシーンがこれまた凝っててドキドキスリルな鮮血イタリアンホラーの総称って感じの意味・・たぶんね。私が好きなエロティックでダークな匂いのする映画の類い。ユーロトラッシュ!)
偶然にも隣の席があの日本一のゾンビプロフェッサー・カニバルホロ子さん・・伊東さんとあっては、勇気を振り絞ってゾンビのことで話しかけるしかない。ワインをぐびっとやって、調子にのっていっぱいお話しちゃった!(たまには大胆な私である・・。)
伊東さんは今度発売するNIGHT OF THE LIVING DEADのボックスの2万字ライナーを書かれている。少し前に制作中の屑山さんからこっそりその内容を読ませてもらっていたのだが、ゾンビファンにはたまらなく好奇心を満たされる内容である。中のライナーはキングジョー氏のイラスト!ロメロのインタビューも入っていたり貴重な映像も特典でついてるそうなので、これはホラーファンなら絶対買いだ。で、そのネタ元について聞いたり、前から知りたかった初歩的な疑問アレコレ、それからZOMBIE手帖での熱狂的なゾンビファンとの裏側のフェティッシュな交流などについてを聞いてしまった・・!
それから2軒目では中原さんがお隣に・・。酔いも深まる頃、初めてじっくりお話する。これまではメールでクランプスについての情報交換や音楽話・忌み嫌うあれこれなどそんな真面目なやり取りを何度かして中原さんの尖りと歪みの発想に共感を抱いてはいたけれど、執筆活動の苦悩や掃き溜め話とか直接聞いていると、人生についてや生きる目的について考えさせられて私もなんだか気が滅入ってしまった・・・・。うーむ。うーむ。どんなに自分の得意分野があったり才能を信じていても、人生はそう甘くない・・。自分の好きなことをして生計を立てるというのは大変なことだけど、人間って欲深いからイロイロと思っちゃうんだろうし・・なんて客観的に考えてみたり。考え方次第で乗り切るしかないんだ、きっと。ミックファーレンも細野さんも同じこといってたな。ロックのパワーの源は怒りと苦悩だって。それから中原さんに私の今やっているレコーディング方法について色々と興味深い意見をいただく。とにかく妥協したり焦ったりしないで、納得がいく作品をつくろうと一層強く思った。全員が納得する・・実際これが一番難しいんだけど・・。
私のバンドは、「足し算」というよりは「かけ算」的な発想なので、趣味や趣向の異なった4人でイメージ映像をまず出し合って、そこから音楽にする。だから全く先が見えない。その化学変化や映像ストーリーが面白くてバンドをやりつづけているけれど、誰か一人作曲家がいたり持ちよった曲じゃないこともあって全員が納得して一つの完成形にするのにいつも苦戦する。とまどったり意見がわかれたり、ひどい喧嘩も日常茶飯事である。想像通りに事が運んだ事がないっ!!全くないよ・・でもだから面白いのかも。だけど、何か一つの目的をやり遂げる仲間がいるというのは、素敵なことだ。あと、もうひとふんばり・・がんばろうと思った。
それにしても、夜も深まっていくにつれ、目の前で繰り広げられる苦悩の爆裂トークはすごかったな・・!

思えば今年に入って、私は映像の分野で活躍している人たちと知り合うことができて世界が広がり、新しい発想や刺激をもらっている。音楽はもちろんだけど、映像はいつも私の想像力を満たしてくれる魅惑のドラッグいわば飛び道具なので、その道のスペシャリストな方々と交流がもてたり、直接話ができるなんて感激だ。外から吹いてくる風は自分が思い通りにいかない苛立ちやバンドへのエゴみたいなものをいったんリセットさせてくれて、物事をシンプルに考えるきっかけになる。ふだんはバンド単位でも、なかなか他のフィールドの人たちとは繋がるきっかけをつくれないから、個人的に縁があった人とは積極的に交流したいなと思う。
以前、パニックスマイルの吉田さんから「バンドの世界観が独特だから一つの音楽ジャンルが土台としてあるようなシーンやバンドからは理解されがたいし敬遠されるんじゃないかな」なんてバンドについて言われたことがあった。そのときはバンド自体が外から刺激を受けたがっていたり、新しい活動の場を求めていた時期だったこともあって、なんだか八方ふさがりな気分になったり考えさせられたりした。でも私の身近にはアプローチ方法は違っても、発想レベルで音楽活動に共感をいだいたり刺激をもらうバンドや、好みの音楽の話で盛り上がったりできる大事なバンド仲間がいる。
たとえば、インテグレイテッドスリィやハッピーディスパッチ、ダビデチオ・・・といった個性的なバンドと交流があることはありがたいと思う。バンドをはじめた4年前からしたら・・考えてみれば、周りの人たちにずいぶんと助けられてここまでこれたんだなぁ。そんなことをしみじみと考えてしまった。出会うきっかけをくれた人たちにも感謝しないと。
先日青い部屋がリニューアル5周年パーティだったこともあって、前夜の野望とか思い出され、なおさらそんなことを考えてしまった。

去年のこの時期といえば、あたしモンモン狂か?てなぐらい悩みまくって部屋でふさぎ込んで真っ暗にしてはビデオばかり見てた・・。(それはそれでよかったけど・・ダウナーな時期というのは何かと破壊的な発想になってしまうもの・・)
やはり年末なのだなぁ。・・・・すっかり年末特有の「暮れ〜の元気なご挨拶〜」気分になってしまった。これまで出会った人たちや刺激をくれた人たち、お世話になった人の顔が走馬灯のように次々に浮かんで・・・まさかね(・・これから死ぬわけじゃあるまい?!)
・・なんかしみじみしちゃった。感謝の気持ちで胸が、うぅー・・・なんか改まった挨拶とかしたい気分だ。

感極まったところで・・ トイレ掃除でもしょっかな。バットホールサーファーズでも聞きながら!



Did You See The Words (Animal Collective)

参考リンク;
★yellow・・・山崎さんのGialloサイト ホラーfanはGo!  
★ゾンビ手帖
・・カニバルホロ子さんのサイト zombie好きはGo!


11月●日 シルベットと私


ある日の昼下がりの出来事。大好きな我が家の貴公子シルベット君と写真を撮ってもらった。
シルベの匂いとモジャモジャヘアと人間のような瞳が大好き。
私のことはまったく眼中にないシルベだけど、片思いでもまぁよい・・。
抱きしめるだけで満たされちゃうのです。

来年もシルベットと一緒にいれますように・・・!

   

シルベは、日本には5頭しかいないムツゴロウ王国出身のアイリッシュウォータースパニエル。

一緒に映った写真はあんまりないから嬉しくてアップ!
馴れ馴れしい私をよそに、ぼんやり表情のシルベ・・。
私よりも身長があるし、頼もしい存在である。




11月26日 リンクレイ

数日前のこと。朝からとても悲しいニュースを知った。
Mr.ギター・・・LINK WRAYが亡くなったのだ。(享年76歳)3ヶ月前までバリバリにパンクなライブをやっていただけに大変ショックでした。

夜、WALKIN' WITH LINKといういかした曲が第三帝国コカイン氏からはるばる届けられ、RUMBLE爆音追悼集会を開いてリンクレイを爆音で流しまくった。最高のロックンロールパーティ。

世界中のワルでスィートなロックンロールを愛する不良少年少女たちのハートには、これからもずっとギャンギャンとリンクレイのギターが鳴り響いていくことだと思う。





 


JACK THE RIPPER ( LINK WRAY & HIS RAY MEN )



11月19日 追憶のハイウェイ61

やっと一息ついたので覚え書きがてら日記を書いてみることにした!

今週も色々な出来事がたくさんあって、あっという間だった。
先週の土曜日はジョン(犬)さんと近所の北原白秋のお孫さんがやってらっしゃるというなじみ深い喫茶店で待ち合わせし、半年ぶりぐらいにタロット占いをやってもらう。興味深い展開になりそうな未来に、いざ戦闘準備オーライ!

そのあとお父さんと2人でタクシーで「SPARK ARTS VS. SPARK GIRLS」というテクノのイベント@代官山UNITに乗り込んで大勢の人たちとワイ・ワイ・ワイ。DJ,KAGAMIさんのカッコイイ打ち込み音楽、ズンズン重低音が腹に響いてお腹を減らしてみたり、生のP-Sheena PUNKにシビれる。この曲、カッコイイ!大量の電子音を浴びながら首を縦にふる。「ロックが好きだ!」と心の中で叫ぶ。

日曜日は夜からダークサイドミラーズのレコーディング、いよいよ終盤。「鏡地獄」という曲のミックス作業。
やっぱり朝までかかったのでそのまま月曜日にしぜんと突入・・。夜が来たらトラッシュマウンテンビデオという海外のカルト映画を次々にDVDでリリースしている国内の最強かつ異端ホラーレーベルのボスである屑山屑男さんに誘われたジェス・フランコという監督(エログロ、ホラー、女囚モノ、拷問映画など、150本以上の作品数を撮り続けた異形の監督と呼ばれるスペイン人)のパーティに行った。会場は、ロフトプラスワンで「ユーロ・トラッシュの巨匠ジェス・フランコのビザールな世界」 というパーティ。私は「ヴァンピロス・レスボス」という女吸血鬼の美しい映画しか見たことがなかったので、お便所くさい奥の席で知らない映像をたくさんみれて、とっても刺激的だった。ミュージシャン&作家である中原昌也さん、私の尊敬する「ゾンビ映画大辞典」の著者である伊東美和さん、また愛読書である「ニコ/ラスト・ボヘミアン」やバロウズの「おぼえていないときもある」そして「世界殺人鬼百選/Ultimate Murder File」の著者である特殊翻訳家の柳下毅一郎さんらがトークショーで登場!(おわったあと、屑山さんにそのご三方を紹介してもらったのだけど、興奮してしまった!)
リナ・ロメイの度きつい映像を初めて見て息をのんだり色々し、・・そのあと屑山さんたちと台湾料理屋さんでおいしいご飯を食べたりワクワク素敵なひとときを過ごし、12時が来たら車で家に帰って、そのまま朝までバンドのレコーディング。・・・濃すぎる・・!

週の半ばは、仮死状態のためどこが始まりで終わりだったかあまり記憶がなく、双子のスイートシスターとランチを共にし気になる事柄を本音トークで批評しあい、ついつい熱くなったり。でもスッキリ気分が満たされたり。夜はカレーを大量に作ったり、それを友人に振る舞ったり、また爆音の渦の中で機材のつまみをいじったりする。

やっと今日も夜がきて・・今日は特別に静かな夜。ほっとする。
シーンとしてたら、ボブディランのライブで観衆からブーイングされて「裏切り者ー!」とか叫ばれてるシーンが突然脳裏に浮かんだ。ここは強烈なシーンで思い出すたびにはっとするんだけど、やっぱり心臓がドクドクした。
なんといってもボブディランが「 I don't believe you. You are lier!」と言い返す所!!もう私まで拳振り上げたくなるけど、同時に泣きたくなる・・!
ぐちゃぐちゃのレコード棚を漁ると10年前にロンドンのレコ屋で買ってきたボロッボロの中古盤「ライブ1966」が出てきて、ほっとする。
じーんとしながら、最も凶暴で緊張感あるライクアローリングストーンを聞く。映像では、そのあと「サンキュー」って吐き捨てて演奏終わってすぐそのままステージを去るんだけど、場内がずっとシーーーーーーン!!
驚くほど、しーーーーーーんとしているのだ。
ここまで胸がズキズキする凄い、「しーん」は他に例えようがない!かっこいいボブディラン、やってくれた!
他人から文句つけられようが何しようが、クソミソ言われて傷つこうが、疲れて自分に自信がなくなろうとも、信念を曲げちゃいけないんだ・・そうだ!そうだ、と勇気がわいてくる。

しかし・・しーんとそのまま穏やかに夜が終わるのはあまりにも切ない。嘘つきつながりでShe Lied(ダムドバージョンの方)を聞いてみると、これまたノリノリでカッコイイので目が冴えてしまい、映画を1本見る。友人ヤス氏にこないだ借りたキャロライン・マンローのサインがパッケージに入ってる(すごい)ジェスフランコのホラー映画「フェイスレス」!
これは素晴らしい兄弟愛・・というか、もう一方の視点ではロマンチックな夫婦愛(リナ・ロメイ×ジェスフランコ)というか・・ああ。自分も地下室でもだえたくなる綿密なストーリーに驚き!目を離すともうわけがわからなくなってるし・・!面白かったのでした。

そういえば来年のお正月にスコセッシ監督のボブディランの映画が吉祥寺で上映されるらしい!これは行かなくては・・!
(23日にBSハイビジョンでこの映画を放送するらしいが、見れるわけもなかった)。


____________________

★ごあいさつ★

色々思うことあってなかなかアップしてなかったレッドダイアリー。
主な理由の1つは、猫もしゃくしもブログブームなご時世で、情報の受け手より発信側のが実質多いのではないかということになんか違和感を感じて受け手に回ってみたところ、日記を書くという行為がなんだか「かまって音頭」みたいで、あほらしくなって嫌気がさしたこと、もう一つは長期にわたって制作しているCDがひとくぎりするまで当分、秘密主義でやろうと試みたことと、それから家にいる時間があまりに短かく、しかもロウテンションだったため・・・があげられます。でも、書いてないことで心配してくれる人がたくさんいて、それから楽しみにしてくれてる人がいることを知って、ちょっと嬉しくなりました。どうもありがとう。

というわけで、これからまた、ここに書こうと思いました。
かれこれこの数ヶ月間、実は別の場所に日記を書きためていたのだけど、せっかくなのでアップしておきます。(お暇な方はどうぞ・・・!)




She Lied ( The Mummies )


 

10月9日 バースディ&京都ボロフェスタ!

明日から数日、京都に行ってきます!
ボロフェスタという狂都のロックンロールパーティに行ってきます。
京都の奥の奥、魔境なエリアも探索したり、枯山水のサイケデリックにも触れる予定〜。
去年のちょうど今頃はといえば・・・ロシア&アムスにいたっけ。
ヒステリックなロシアン娘とケンカしたこととか・・・
アムスの絶叫マシンでヒャッホー!したこととか・・・、
まだぜんぜん記憶に新しいというのに、あれからもう1年経っちゃった。時が経つのはほんと早い!!

昨日の誕生日にお祝いのメッセージを送ってくださった皆さま、どうもありがとう!
嬉しかったです。・・・ありがとう。
それでは行ってきま〜す!
戻ったらまた連絡しまーす!



 

9月8日 赤く赤くハートが・・!

今日の夕方、空が赤に染まりました。
そして、赤い空が落ちてきた・・・!

私は屋上にゆき、空を眺めているとがまんできなくなって、外に飛び出した。
空の赤は視界の半分以上を支配していて、赤い世界に立っているみたいだった。
それは、夢の中で味わったことある狂った世界に近かった。
寂れた駅前の横に立っている廃墟のビルと、電柱からぶらんとぶら下がった黒い電線が、これまたいい絵になっていて、静かにワクワク興奮してしまった。

がらんとした駅前に1軒たばこ屋がある。
タバコ屋のおばちゃんは、赤い空に気がついていないのかいつも通りに腰を曲げて道路をほうきで掃いていた。
その光景も、たまらなかった。
この赤い空を独り占めしてしまっていいのだろうかと思うとソワソワして思わず双子の姉に電話をしました。

「ねえちょっと空見てみてよ!呪われた学園みたいな空だよ」
「あんた〜古いよ(笑)じゃあ見てみるね。」

と、二言交わして電話を切ってもう一度空を見上げると、赤い空はすぅっとゆっくりと落ちてきて、そのまま闇の中に溶けて消えていきました・・・・。
夕方の日が落ちる切ない瞬間を味わえたので、ちょっとよかった。

切ないといえば、
私の生まれた街には近所にものすごい赤い色をした海があって、
そのすぐ横の道路を車で走るのが好きで、よく連れて行ってもらった。
子供ながら、赤い海は素敵でした。
濃くにごったドロドロの真っ赤な海を見ていると、
今にも恐ろしい怪物がぶわっと顔を出しそうで
心臓がドキドキしていました。
この海の赤色は近くの八幡製鉄所から流れ出た
毒物の色だというのを大人になってから知ったけれど、
赤い海はお気に入りスポットだったので、
そんなことはどうでもよく、たまらなく魅力的でした。
でも北九州市的には社会問題だったらしく数年前に帰ったときには、真っ黒な煙を吐く工場もほとんどなくなり、赤い海は青黒いふつうの海に変貌をとげていました。つまんない海になって、がっかり。

赤い海といえば、先日温泉に行ったときのこと。
ワイン風呂という真っ赤なお風呂に浸かりました。
飲むとちょっとほろ酔いになった。
ワイン風呂を出た先の洗い場の前に、裸の行列ができていました。
初めて見た裸の行列でした。・・・迫力があった。
毎朝やってるパチンコ屋の前の行列とも近いような、
でもこっちのが裸な分もっと格好悪いかんじ・・
丸裸の行列ってなんかイヤだなーとか、絶対ここには並ばないぞ〜・・とか思いつつ、でもゆくえが気になってじーっとその行列を見ていると、ふとこの間のNHKで3連チャンでやってたアウシュビッツ特集のガス室の再現映像とかぶって見えてきて、
だんだん胸くそ悪くなってきて、
気づくと気を失ってしまい・・・恥ずかしいことに見事な湯あたりをやってしまいました。

夏はもう飽きた。恋する季節、それは秋の空。



8月8日 リチャードヘルとパンク

数日前、リチャードヘルの映画を見にいった。
昔見た事があった。けだるくて何がいいたいかわかんない恋愛映画(監督が悪いともいわれている)で、クソマジメなつまんない映画だと知っていたけど、ライブシーンがでかいスクリーンで見れるのは「お!」と思い、あと、CBGBが8月になくなるとか言われていて、これに対しては、「どうなってんの?文化遺産になっていないの?NYってホント間抜け!」という感があり、役人をトンカチで殴りたい気分で、でも映画の収益金が、滞納している家賃200万にあてられるとか言われると、きっと何の足しにならないのはわかっていても、やっぱりそれだけでいかなくちゃいけない気がして行ってきた。
どうでもいいシーン(たとえばアンディウォーホルの助手がバイオリン持って、目の光るゴーグルつけてイカレた演奏をしているシーン)に声をだして笑ってしまった。
そんなことはどうでもよくて・・・私は・・・・・びっくりしてしまった。

何にびっくりしたかというと、ただのクソ映画ではなかったからだった。前見たときと違った。もちろんストーリーなどは正直ボロボロだ。
しかし、「空虚さ=Void-oids」がにじみ出た当時の風潮とかがリアルに胸に来る映画だった。
そしてなんといっても、ヴォイドイズの本物のライブシーンが入っていて、ホンモノが登場するのだ。しかも生音で!私は息をのんで釘付けになった。「あともう少しだけ、もう少しだけ・・!」と心の中で願いながら身を乗り出して見るほどだった。
当時のガサガサした空気感が詰まった映像。貴重な映像だ。もう震えた・・。
私はヘルの破壊的な言葉とあの長身のカッコイイ容姿、そして、あの目!けだるい目と野獣の目がたまらなく魅力的で凶暴性にうっとりしているので、映画の内容なんかはさておき、じぃいーと見入ってしまった。
リチャードヘルはアーティストだ。表現の手段の一つとして音楽を作り、Blank Generationという曲やDon't Die,Love Comes In Spurts,You Gotta Lose,Another Worldとか(すごく好きな曲は山ほどあるけど)暗く重くポップでゆがみのきいた魅力的な曲をたくさん書いた。それから小説や絵画、詩集「Hot and Cold」をはじめ、たくさんの本も出してる。
何か表現している人・・・画家でも詩人でもエンターテイナーでもバンドマンでも会社員でもニートでも、職業は関係なく、何か自分の中で目的をもっている人というのは、意識して自分のヴィジョンを持っている。しかしそのビジョンというのは、いつだって苛立と空虚さと隣り合わせで「オーノー!残念(賞だ)」と人から言われる前に自分を戒める。存在価値と戦いながら、イエスかノーか自分の美意識と直感で進むしかない。私はそこにパンクの原動力があると思う。
ヘルは演奏中にステージを降りて、ステージの裏でぐったりしながら「自分の意志が誰にも伝わってない」と落胆し、「見に来たお客がただの野次馬ゴシップ好きしかいなくて、音楽を全く聞いてない」ことがわかってうんざりしたりしていた。正直、そんな類いのことは誰だってぶち当たる壁だ。誰だって自分のやってることが「空虚」に思えることがある。急に冷めちゃうことだってある。何か表現活動する人間ならなおさら。私はヘルのそういう部分にピュアで誰とも混じり合えない孤独感と疎外感と、そこから自分の世界を創り上げた孤高性を感じて、とても好きだ。
あと、ダークサイドミラーズのライブで、おこがましいながら、3年前のネロが象牙の塔にのぼったライブからずっとブランクジェネレーションをS.Eにしている。これには意味があって、でもここに書くのはうざいのでやめておく。

リチャードヘルは、現代のスポーティな装いでギターをかき鳴らすパンク風ミュージック(うわぁ〜〜背筋がぞっ!)の「PUNK」やさびた懐古RAW精神だけの頭の固いダサイPUNKSとも全く異なる。異質な存在なのだ。いつからか、パンクという言葉にアバンギャルドという意味が失われた気がする。
たとえばよくいうファッションにパンクっぽいやつが入っちゃってる・・あれはまだいい。私はラモーンズ知らない人がラモーンズTを着てても全然いいと思う。支持します(前の私なら、「背中から蹴って川に突き落としてやりたい」とか第三帝国のコカイン君といつも報告し合ってはおもしろがっていた)それはそれで楽しいんだけど、どんな人か話しかけたくなったりして興味がわいてしまう。(ファッションの方ではロックスタイルの流行がもう終わったから、鋲ベルトギャルが一時より遥かにいなくなった)いまや数少ないロックで話ができる人ともっと友達になりたいから、目に入ると興味が湧くのだ。それにパンクがカッコイイからそのTシャツを選んだことだろう。そのカッコイイ部分が共感しあえれば楽しい。私にはない視点があると面白かったりもする。(あ、でもそんな心が広いのは機嫌がいいとき・・・かも)
とにかくまとめると、ピストルズ以降の、90年代越えてカートコバーン以降にジャンルに確立した「パンク」には、まったく吐き気がする。まとまってないけど、ようするに、I hate JOCKS!(スポーティ)
というのは・・・なぜならば私の数少ない音楽友達にもパンクを聞かせるのは大変だったからだ。やっぱりラモーンズを一緒に聞いてノリノリになりたいもの。ジェームスチャンス聞きながらフラフラしたいもの。
ロックからパンクに辿り着きガレージまでいくと、50年代のブルースまでスルーっと自然に繋がるのに、ボブディランやバンドなんかの渋いロックやスピリチュアルミュージック、ジャズを好んできいている「インテリな音」好きの友人には、「パンク」というだけで「へぇ。パンクかぁ。あんまり聞かないなぁ」とかアッサリ言われると内心「ガーン、やっぱり!」となる。インテリとパンクほど密接した関係はないだろうに、ぴったり似合うのに、まんまと誤解されてると「あ〜!」とクヤしくなる。どうも思うに、幼稚な音楽というイメージがあるからのようだ。これには異議ありだ!私は悔しくなって何度も夜なべしてPUNKと題しためちゃくちゃカッコイイ曲ばかりこれでもかと詰め込んだ究極のパンクCDを作って、一人のうら若き青年の洗脳を試みたことがあった。結論から言うと、だめだった。(私の力不足であった。)イメージの破壊、というのは難しいのだなと思った。とくにインテリと堅物は性質がある意味似ているようで、なんせ慎重で保守的な部分(=こだわりやルール)が土台にあるのだ。だから一度ついてしまったイメージを払拭するというのはなかなか・・ね。なんて、言い訳してみたりしたが、ほんとは・・・あのとき1曲目にスーサイドのGhost Riderのそれもライブバージョンを持ってきたのがまずかったのかも〜なんて思っている。


あと、忘れちゃいけないこと。映画に入っている生音の、出音の粒とバンドの雰囲気にただならぬオーラがあった。胸に杭を打ち込まれるような感触。・・・素晴らしかった。ヴォイドイズはメンバーの個性も素晴らしかったのだということが改めてリアルに伝わる映像だった。特にマーキーラモーンことマークベルのドラムシーンには胸が熱くなった。せっかくだから音をもっと爆音で流してくれたら、もっとよかったのに!!バウスシアターでもう一回爆音でやってもらいたい・・!
リチャードヘルはやっぱりかっこいいな。覚醒したようなイッちゃってる目がもうたまんない・・!

その後、NY帰りのヨースケや死神ジョー,ボービーらとお酒を飲みに行く。こないだ行ってきたNYリアル話なんかを聞いたり、NYのCBGBに出てるバンドで面白いのがいなくて日本と同じパンクがスタイル先行で進化している話とか夜中まで盛り上がってしまった。最近私のまわりではNYに行く人が多い。私にとってNYは近くて遠い国だ。小学校の卒業文集で「10年後あなたは何をしているか?」の問いに「NYのCBGBでラモーンズと再会する!」と強気に綴った私は、その夢を叶える事ができず、ラモーンズのいないNYには魅力がない気がしていたのだけど、ここまでNY帰りに囲まれると、ウズウズして行きたくなってしまった。

little johnny jewel ( Televison )


 

7月23日 ロンドンの夜

隣のファーファーのぬいぐるみがこっちを向いて無邪気に笑っていた。
今は一日の中で一番静かな黄昏時。
この時間帯は、もの想いに耽るのにもってこい。
いろんなことを考えていると、切なさだけが残った。ああ・・・。
夜に恋をしてはいけないのに、と思う。
数日前の満月は、美しかったなぁ。オレンジでゴツゴツしてて、不気味なぐらいでかかった。
自転車に乗りながら片手運転で怪物くんの歌まで歌ってはしゃいでしまったぐらい。

昔のイギリスの哲学者の書いたAS A MAN THINKETH というビジョンについて書かれた本を読んだ。
理想の極論を綴った美しい本だ。
私の頭上には天井がある。その上に空があって、ロンドンにも飛べる。でもテロのニュースを見たから、行く気も失せた。
激しい宗教弾圧が世界の各地で起きている。なんでまた宗教を弾圧するのだろう。宗教は、思いの強さだけで成り立っている哀れな人達の産物なのだから相手にしないに限る。孤独と悲しみや苦悩があるから見えないものに「すがる」しかないのだ。そんなの弾圧したら、行き場のない感情が膨れ上がってしまうだけだ。サイコ野郎を敵に回すほど愚かなことはないのになぁ。
そんなことを思いながら、スーサイドを聞いてたら、外に出れなくなった。


Flux=Rad (Pavement)



7月1日 800ページの本の中と少年犯罪


私は持久戦の類いは一番苦手である。かつて美術部時代には、学校に提出した絵画作品は細部にこだわって時間をかけて描いた何かではなく、庭の物干竿にでかい紙を吊るし、全身に黒い墨を塗り、白い紙めがけて走って体ごと激突して一瞬でできたものだった。柔道部時代の得意技は一本背負いだった。寝技に持ち込まれたら無駄な抵抗は一度もしたことがない。さらにさかのぼると子供の頃、夏休みの自由研究では雷の音や台風の音を一本のカセットテープに録音したものだった。もちろん、「手抜き」だと評価された。内容はどうであれ所要時間のかかったものに対してだけがまともな評価の対象になり、あきらかに短時間で終わったと思えるようなものには「もっと」や「もう少し」からはじまる苦い評価が与えられる。

1時間の遊戯より一瞬の快感のが気持ちいいに決まってる。人生はタイムカードじゃないんだから。


久しぶりにテレビをつけて驚いた。両親を殺した少年の犯罪のニュース。
校長先生が犯罪をおかした少年の人格をボロくそに否定していた。おそらく顔も知らなかっただろうに、見るからにいい加減なこといっていて、殺された少年の両親も浮かばれないだろうと悲しくなった。深刻でなんとも苦いニュースに思えた。不安定な世の中で、ただでさえ希望とか夢だとかうさんくさく思える現実を見せている大人が、子供の犯罪にでかい口を叩いてるのを見ると、ケッと思う。説得力ない。この事件はその少年が狂っていたんじゃなくて、もっと根深い問題だし。コメンテーターが「もっと何か打ち込める楽しいことを子供さんに教えてください」なんて親に呼びかけていたのが、ばかばかしくて笑えた。抑圧されたはけ口を見つけないとだめになっちゃうって言いたいんだろうけど、親に言ったってね〜。
原始的な疑問すらわかなくなったら、もうロボットと同じだ。これだけ情報がある世の中なんだから、当人が考える前に上から押し付ける教育はもう子供に通用しないんじゃい!と思った。


他人とうまくコミュニケーションできなくて心が病んでる子供が多いのは今に始まったことじゃない。でもこれだけコミュニケーションツールが発達していたっておこる・・。今回のニュースみてたら、深刻・・。これから一番たちの悪いきな臭い「癒し」を求めるずる賢い大人予備軍が増えていくきがする。
あと自分の価値を人から判断されることでしかわからなくなった切羽詰まった子供が増えているんだろうなー。なんでそんなに焦るのだろう。余裕がないうえに自信もなく夢もないから?とりあえず別の視点で無関係に思える部分から改善していくことも一つの策である。
当たり前だと思うことに疑問を持たせる教育が今必要だと思うのだ。たとえば表面上の規律をいったんリセットする。ほんの一例としては、学校は時計をなくして、終了のチャイムは学校の掃除のおばちゃんが一段落した時とか好きなタイミングで好きに鳴らさせる。たとえばそういう大胆なことを月に1度ぐらいたまにはやってみるのもアイデアとしてはいいかもしれない。あと、もっと精神的にスパルタやっていいんじゃないか。褒めればいいと思って、子供に遠慮しすぎなくせに変な規則ばかり突きつけてる感じ。
習慣が思考をストップさせてる部分もあるんじゃないのかな。人は目的が見えてないと、やる気にならない生き物だもの。


Mojo Man From Mars (The Cramps)


6月11日 象徴派

先週末、文化村ミュージアムにベルギー象徴派展を見に行った。誘ってくれたDr.デス、thanks!
象徴派といったら、耽美と幻想、悪徳とグロテスク・・・私の好きなボードレールがまず一番に浮かぶんだけど、絵画の分野も相当やばいのだった。
恐ろしい魔力を放出してエネルギー吸い取るような生々しい暗黒の作品をいっぺんに見た。
MY MPは減りにへり、会場を出たら、ぐったりしてよろよろっとした。何百年も経っているのに、世紀末に描かれた絵という時代背景もあるためか、強烈なパワーを直に感じてしまった。あれらは絶対魔力が宿っている!
会場の外に同じ大きさのポストカードが売られていたりしたけれど、本物を生で見たあと見ちゃうと「へ?なにこれ」って感じだった。全く別ものの作品に見えた。出してるオーラが違うのだ。
象徴派とは、 19世紀から20世紀の産業革命の時期、現実社会から逃避して宗教世界や幻想の世界を追い求め、超現実的表現世界を描いて本質を暗示しようとした運動の一派のことをいう。今回、ベルギーで「薔薇十字団」と名乗って活躍していた革命芸術家たちの作品ばっかしを渋谷のデパートの地下に一堂に集めたというので、これは・・!!である。見ないわけにはいかない。

すごい破壊的なエネルギーを持った惹かれる絵があった・・!
まず、フェリシアンロップス。『悪魔のような女たち』と『魔性の女たち』シリーズ。どれもパっと見は繊細なタッチの鉛筆画なんだけど、正面からじっと見ると強烈なインパクトの絵だった。タイトルもさすがいかしてるのだ。「ドン・ファンの最も美しい愛人」とか、「深紅のカーテン」「売春と狂気が世界を支配する」とか、「踊る死神」「娼婦政治家」「偶像・生贄・磔刑」の3連ちゃんとか。踊る死神のユーモアのセンスは最高だった。
唯一知ってたボードレールの悪の華の挿絵を書いてる人、アルマン・ラッセンフォスもいた。絵の数はえらく少なかったけど「劫罰」という作品、ダークで尖っててよかったな。
同じ象徴派の画家でも色んなタイプがいて、たとえばキリスト・ラブ派と明らかに冒涜してるヘイト派がいてそれが混在してたり、ダークでエロティックな悪魔タッチの絵と、きらびやかで幻想的な風景画とが(クノップス)隣り合っていたりするので、ちょっと違和感を感じるときもあったけど、びゅんびゅんいろんな世界に連れて行かれた。私はどちらかといえば、「聖なる」タッチより毒々しい黒っぽい作風の方がタイプだ。
それと面白かったことといえば、文化村というのは、もとから固定客がいるのだった。文化村ファンとおぼしきおばさまたちが集団でたくさん見にきていた。光沢感のある美しいタッチのデルヴィルの絵にやたら反応していて、そこだけ異常に人口密度が高く、むらがっていて絵に近寄れない有様だった。まわりの暗黒の絵の前は、がら〜〜としている。その光景のギャップというか・・部屋自体が面白かった。金縛りになって動けなくなる感じだったのが、シャルルドゥドゥレの「廃位」。艶やかな赤がすごいインパクトだった。レオンフレデリックの「三姉妹」もすごかった。赤の色が強烈。思わず帰りに赤い布を衝動買いしてソファの布を模様替えしてしまった。
すっかりはまってしまいそう。次は レオノール・フィニの絵画展をやるそうだ。これも行きたい!

Tunnel ( Mars )


 

5月4日 恐怖のデストリップ

昨日はレコーディング2夜目。
これまで7曲録音していて、昨日は2曲録音する予定だった。
1発録りなので、無駄な体力の消耗は避け、焦らず綿密な音決め作業に時間をかける。曲のアレンジについてやイメージについて話したりしていたら、あっという間に夜が更けてきた。
この日2曲目の悪夢ソング「 チャンネルノイズ」という曲を録音したときのこと。

私とネロと死神ジョーは、真っ暗に電気を落としたブースの中で、ヘッドホンをしてじっと沈黙を守って待機。向こうの準備ができ、いよいよテープが回り始めた!
いざとるぞ!という時、緊迫した空気が流れた。
エンジニアのイサボンから皆のヘッドホンを通じて合図の声がかかる。なんだか司令塔みたい。みなで目を合わせてうなづきあう。
つづけて死神ジョーに向かって、イサボンは言い放った。
「死体の上を歩くような感じで、じゃあお願いします。」出だしは死神ジョーのベースからだった。室内の緊迫感はさらに高まる。
なぜなら、チャンネルノイズは夢の世界にいく曲なのだけど、出だしに唐突に「殺戮シーン」があるからだ。
私の想像ではもっとヤバい映像が見えていた。子供の頃に見た悪夢で、真っ赤な地獄絵のような世界で、そこをオンボロい車輪がゴロゴロともの凄い音を立てて走っている・・・だんだん地獄の門が見えてきて、ゆっくりと音を立ててギィーーーーと開いていく。その向こうから次々と魔物が飛びかかって襲って来る、そんなイメージ映像。それから宇治さんのアート作品、暴かれた深層心理である「シドラモーンエクスペリエンス」も脳裏に。


そのとき突然、「ヒュゥウウウウーー、ボォうーーーーー」っという風の音がヘッドホンから聞こえてきた。ごくりとつばを飲む・・。ムード満点!
『どこだ、ここは?』
前日、楳図かずおの「14歳」を読みふけったせいか、「人類最後の日」に似た絶望と恐怖があった。そしてさらに使命感とで、わたしの胸は高鳴っていた。まるで世界の終わりのような真っ暗の闇の中にいる。泣きたくなるような孤独と絶望をかみしめながら、でももう後戻りはできない気持ちが襲って来た。むなしさというか虚無感も漂っている。でも突き進まなくてはいけない・・・!今になって、バッドトリップの経験がいきている。いつだったか、私は一度、世界中の悪魔という悪魔の像に取り囲まれるというヘビーな幻覚を見たことがあるが、最終的に恐怖を感じたのは悪魔達が去っていた後に現れた赤いベルベットのカーテンだった。
その向こう側に何が待っているのか。「悪魔も悪夢も妖怪もぜんぶまとめてかかってこいやー!」・・デスマーチだ。死にものぐるいでズタズタにやってやろう。 VOO DOOでいこう。そう決心したその時、目を閉じて呼吸を整えているそのとき、ヘッドホンからブツっとしたノイズと司令塔にいるルーシーの声がした。
「この音、好き?」
はっ?!として現実にかえる。
「この音って・・・風の音のこと?」「そう!どうかな?」 みんな口々に「いい!」「最高!」といった。

やがてすぐにまた、あの世界に舞い降りた。

悪魔の風の音が再び耳のすぐそばからビュービュー聞こえて来る。しかも、今度はさっきより強く吹き荒れている。力を抜いたら今にも吹き飛ばされそうなぐらいの強い風だ。轟々と鳴っている。
いよいよ後にはひけなくなった!サムライスピリッツだ。侍といえば、「子連れ狼」に、そういう殺伐とした風に吹かれているシーンがあった。武装されている乳母車も浮かんで、(大五郎の変な髪型と切ない「ちゃーん」の声まで浮かんだが、それはすぐに消し)ぶった切られた暗殺者たちが次々に華麗なえびぞりで倒れていく情景までもが浮かぶ。
自然と右足と利き手に力が入る。刀を・・・スティックを振り上げながら暗闇に焦点を合わせ・・・・ゴー!

殺りくが始まった!
殺戮から幻想の中のメリーゴーランドへと世界は流れてゆく。そして8分間のデストリップは終わった・・・。

ぐったりした。一音に全神経を注いですべての力を出し切ったので、聞き返すまでもなく迷わず「よかった!」と言い合う。あの気迫はやはり最初の一発目しかないだろう。全員一致で「いいのが録れた!!」と一発オーケーに。
力が抜けてヒョロヒョロしながら三途の川からコントロールルームへと戻った。
ドアを開けると、部屋がスモークでやや白い・・。
ソファにふぅと腰を下ろすと、隣にヴォーーーと鳴り響いている音があった。
見ると、ターボに設定されたパワー全開の空気清浄機が!しかも送風吹き出し口の上に、マイクが寝かせて置かれている。
さっきの悪魔の風の音の正体は、まさしくこの空気清浄機の音だった。

念のためにもう1テイクやっとこうか、ともならず。ああーよかった。おかげでいいのがとれたよ。終わったよ・・。
安心したとたん睡魔が襲ってきて、いつのまにか私は夢の世界へと旅立っていた。

Black Angel's Death Song ( The Velvet Underground )


 

4月16日 レコーディング前夜

今日、高田渡さんが亡くなったという知らせを受けた。
今日の未明、公演先の北海道の病院で亡くなったのだそうです。
心からご冥福をお祈りします。

晴れた日曜日の午後は、よく高田渡さんを聴いた。お気に入りのバナナCD「ごあいさつ」は、ポカポカした日はとってもぴったりなのだ。ライブは1度だけ偶然にも見た事がある。今から6年前だけど、ある気持ちのいい日、プラプラと自転車で近所のクラブQUEの前を通りかかったら、高田渡さんのライブの張り紙がしてあって、「おおー!たかだわたるだー!」とそのままチャリを止めて、ライブを見に降りて行ったことがあった。「自転車に乗って」という歌もあるから嬉しくて、あの日は今思い出しても、とても愉快な一日だった!それから吉祥寺のいせやでもよくお会いしたな。「タカダワタル的」という映画も昨年公開されたばかりだったし、去年の日記に高田渡さんとの思い出を書いたことがある・・・、私は渡さんのことをとても尊敬していました。音楽はフォークというジャンルになるのかもしれないけれど、私はこれはロックンロールに違いないと思った。渡さんのパンクスピリッツに、私はたくさん影響を受けた。
どんな人か知らない人は、まずは「ごあいさつ」を春の日差しの中で聴いてみたらいいと思う。おすすめです。


春なのに、訃報が続くからいやになる。JOHNNIE JOHNSON が亡くなったというニュースもきいたばっかりだったし、そうでなくても昨日はジョーイラモーンの命日だったから4年前の今日思ったことまでリアルに思い出したりもしていて、なんというか、ぐー!がー!ぐー!あー!がー!
うううー!
生きてるやつは、生き抜いて行こうじゃないか。DO MY BEST!

つい先日、私は絶望的な気分があって落ち込んだ。自分のやってることが間違っているか、不安になるときがある。もう大人なのに情けない。たぶん色々考えすぎたせいで、毎日に幻滅していた。
どうしたらいいかわからなくなって、そんなときは、しなだれて家に帰る・・・。結局ガキなんだな、と情けなくなるけど、とにかく自分の思ってることや日常の怒りとか、「一体これってなんなの?」とか「どう思うよ?」とか、答えが出ない事柄についてを何から何まで一方的に機関銃のように全てぶちまけた。さいごに一言、「やるしかないやん」と言われる。あーそれだ!その言葉がききたかったみたい!!となった。今はもう、なんかもうふっきれてスッキリ。単純でよかった。そのまま地獄へドライヴする。

先日、ヤギヤスオさんから「じゃがたら」のDVDが送られて来た。最後に私のお父さんと江戸アケミさんの対談が入っていて、「それを見てほしいから送る」と去年の年末メールがあっていた。私はへー、とだけ思って「2人の表情が気になるけど・・」と返事していたのだけど送ってくれた。ジャケットの絵は暗黒で目が真っ赤のすごい形相のエドアケミさんが「もうがまんできない この〜ッ!!」という灰色のでっかい怒りを吐き出している。ヤギさん色の土くさい太い線全開が独特だ。
さっき例の部分を見た。私はじゃがたらを好きな友達はいるけれど、自分ではあまり聴いた事がなかった。寿町のライブを見た。すごい迫力・・!私は寿町といえば、最初のベースがレコーディング当日失踪し、レコーディングがおじゃんになった(そしてのちに「寿町」で狂人になって発見される)というイヤな思い出があるので、その2文字の単語の響きに対して個人的な警戒を歪めない・・・。
というのはおいておいて、話を戻すと、正直言って面白かった!かなり興味深い内容だった。
2人とも本当にナチュラルな人だ。ありのままに生きている。江戸アケミさんがそのときどういう気持ちだったか痛いほど伝わった。お父さんは今とおんなじ。あと見てよかったと思った一つ、名場面が入っていた。黙々と2人でタバコをずーっと吸っているシーン!その時の2人の表情、そうそうこれが見たかったのだ、と思う。2人の独特な空気がぶつかりあって、独特の緊迫感を生んでいる。だけど、ただの緊迫感ではない。リスペクトの上にあるやさしく強い気の塊が2人の間にどーんとあった。いいな!素敵だな、ゴーゴー!と思う。
この対談は江戸アケミさんが亡くなる3日前のものだそうだけど、あれから15年も経っているのだなぁ。フランスの話、たばこの話、色々なテーマで2人が意見を交わしていて、そのちょっとしたエピソードから2人の考え方や人間性が浮き彫りになっている。それから音楽に順位をつけることの愚かさとか幻想を生む社会への批判とかぼんぼん出てきたりした。ハハハ、私のこないだやっちゃったこととおんなじだ。話の内容をきいていて、まるでついこないだ対談しているような錯覚に陥った。昔っぽくないのだ。空気も内容も全てが生々しい。それって、おかしい。つまり、「なんも変わってねーよ!(ペッ)」ってことなんだけど。ヤギさんに感謝だ。見てよかった。

明日はいよいよレコーディングDAY。士気を高めるために、これからラモーンズRAWの特典映像を見る。


Johnny B. Good(Chuck Berry)


3月26日 愛について。

おとといの夜、月に虹がかかっていたそうだ。
月にかかる虹のことをMoonbow(ムーンボウ)というそうだ。
見た人は幸せになれるという。そんな話を聞いて、ぽかんとした。
今日の満月は美しい。

この3週間におきた〜落ち着かず不安と緊張の日々〜がもうすぐ終わろうとしている。
今まで考えたことがあまりなかったことに気づかされた。
愛について。

LOVE COMES IN SPURTS( Richard Hell And The Voidoids )


3月25日 DON'T TRUST OVER THIRTY?

家に帰って、シーンとした空気感(あれがすごく好きだ!)に包まれ、自由な時の流れを実感するとき、ふっと時計をみると、だいたいきまって深夜2時30分!
だいたいこの数字。いい数字だ、親近感。
今日の長い一日を振り返ろうとした。が、考えることが多すぎる・・・。今は一つのことだけで頭がいっぱい。
いろんな呪縛がとけて、やっとレコーディングが再開した。心から嬉しい・・。
やったー!がんばるぞー。

そういえば、リザードとの共演が決まっていた5月のライブが、「モモヨさんの骨折により」キャンセルになったとグッドマンの吉田さんから連絡があった。吉田さん曰く、DSMと一緒に見たいと思って、私達をブッキングしてくれたそうだ。非常に残念がってくれた。大変光栄です。私も見てみたかったので、がっかり。個人的には2度目の接触不良。
一度目は、リザードのライブCDが出たとき。発売元のYさんから「感想がほしい」と真顔でCDをいただいたので、真顔で聞いて書いた感想を送った。内容は忘れたけど、「プログレッシブなパンク精神がどうのこうの、蜥蜴がどうの」みたいなことを書いた気がする。(今思えば、そこがすでに失敗だった。あのとき、「生まれるのは偶然 生きるのは苦痛 死ぬのは厄介」という聖ベルナールの言葉でも引用しておけばよかったと今なら思う。)そしたら、モモヨさんにその感想文が届けられ、ご本人は「ある若い人」に自分の言わんとした事が伝わった歴史的革命だと喜んでくれたんだそうだ。その後、その文章をCDの宣伝材料やタワレコのコーナーとかに使わせてほしいという連絡が来た。私は音楽評論家じゃないから困惑して恐縮したが、Yさんの押せ押せに、そこまでいうならじゃあ・・・となった。次に名前の表記の話でもめた。私はDSMのジャンクザリッパーでお願いしますと言ったが、Y氏は、いや鮎川の方じゃないと・・、という。なんかそれって・・・と思っていたら知らないうちにその話は白紙になった。詳しい話は知らないが、そのときは、逆に身の危険を回避できたように思った。
その後、東京ロッカーズの試写会に招待されたとき、「はじめまして」とご挨拶をしたら、「その昔、君のご両親にはいじめられたよー」と片方の口角を突っ張らせて笑うと、気まずい感じでどっかにいってしまった。あれれ、なんかこっちまで気まずいことしちゃった感じ・・・。なんかBORN TO ROCK'N'ROLL(S&M)とあったのかしら。そこだけどうも腑に落ちなかった。そのときは、なんだかよくわからんが、こういうのは実にめんどくさい。非常にうざい!と思った。
無関係なことに巻き込まれてるみたいでなんか後味がわるいと思った。

そういえばこないだ、あるレーベルの社長に誰かのライブ会場で会ったとき「クランプスかと思ったら、違ったよ。なんかね・・・」などと苦い顔で言われた。3年前のダイちゃんが抜けた日のライブを1回だけ見たことがあるそうだ。そんなことをいきなり初対面で言われるもんだから、びっくり。思わず、その日のセンチメンタルな気分まで思い出してしまい、横にいたネロと顔を見合わせて言葉に詰まったぐらいだった。クランプスを探しているのなら彼らのサイトを見た方が、断然早い。彼らはいまも現役でライブをやっている。私もまた見たい!彼らのライブ情報をネットで検索してみると、知らない写真ページを発見。

 
http://thecramps.freeprohost.com/

2枚組最新アルバム発売中。
http://www.thecramps.com/

話が飛んだが、そんなことがあったのをふと思い出したので、今回の件の伝達ついでルーシーに電話で話していたら、電話の向こう側でルーシーが「ねえねえ昔、いじめたの?」と横にいる当人たちに聞いてくれた。(どうでもいいっちゃいいけど)私もやっぱり気になる年頃である。耳を澄ますと「へ?知らんよ?そんなん覚えとらんけどね〜?」という首を傾げた声が聞こえ、相変わらずロックンロールの真っ最中でそれどころではないといった風。後ろでやかましい音が鳴っていた。私たちは、アハハハハ!と甲高い笑い声をはもらせて電話を切った。

この一連のエピソードで思うこと。
「ロック」というある一つの狭い世界がある。そこに俗にいうシーンというものがあったりする。そんな中でバンドが繋がっているのなら、そして「連帯意識」や「共存意識」みたいなもんが仮に存在するのなら、なれ合うより、たとえばそんな敵対感覚をもってやっているほうが刺激的でスリルがあって面白い気がする。
対バン同士がお互い好きでもなさそうなのに妙な雰囲気の中で一緒にお酒を飲んでるシラけた打ち上げ・・・一度そんな痛々しい光景を見た。・・・いろいろと大変そうだった。私には無理だなぁと思ったことも思い出した。

やる気でた!もうーやるしかない。
先日、今使っているスティックが根元から折れる怪奇現象が多発するため、もう一段太いスティックを買ってみた。それが最近とても気に入っている。早い曲だと振り上げる手は疲れるけど、重たい音がして迫力が出て気持ちいい。
私の師匠はマークベル。さぁ精進、精進!!


THAT'S ALL I KNOW(THE NEON BOYS)


3月22日 闇のカウンセラー

昔3ヶ月ほど銀行の会長秘書をやっていた関係で、ある仕事の話がきた。
一般的にカウンセリングと呼ばれているもの。相手は全て社長や会長といった偉そうな身分の人だった。いかがわしい仕事ではないのをまず確かめ、とりあえず興味本位で面白そうだとおもってやってみることにしたのだった。でも、ふたを開けたらそれほど面白い事はなかった。でも知らない世界をかいま見た感じだ。

闇のカウンセラーが存在するというのは本当だった。

別に私は心理学の専門家ではないから、正直言ってこの仕事は向いていなかった。やっぱし。まんが(たしかキン肉マン)の歌詞で「言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ」というセリフがある。まさにその精神のみで当たった。仕事としては、まず相手のダークサイドを一発で見極めるとナイフで一突き、話の方向が決まる〜そんなかんじ。電撃バップだ。

いわゆる社長業をやっている人というのは、当然だが数字に強く、やはりカネですべて解決できると思っている。すごい札束を平気で持ち歩いてたりして、目が飛び出た。仕事の自慢話をするときの目はえげつない野獣だった。ただ野心がある点、そのエネルギーの源はあたしにも理解できる、が、あとはいらないストレスが多いためか日常に疲れ切っている印象だ。私はストレスフリーなので、さっぱりその辺には共感がもてなかった。このところ、無性に話を聞いてるだけで、ムカついて来た。音楽の話も全くできないし、この世界が全てだと思うなよ、という気分。(ま、勘違いにしろ)私の方が世間を知っているような気がした。とにかく、一言「ださいよ」といってあげたいが、タブーワードなので、ぐっとがまん。
得たものというかわかったことは、礼儀作法と組織経営って大変なんだなーってことと、資本主義社会の内包する根本的な矛盾ぐらいだ。
時間の無駄に思ったので、やめることを決意した。任務は無事終了!


Somebody's Gonna Get Their Head Kicked In Tonight ( The Rezillos )


2月20日 ストレンジな輪舞と実験人形

小さい虫のかたまりをみた。一カ所に異常にかたまって飛んでいるやつだ。あれを目の前で横切る時、私は口に入らないように息をとめる。息をとめると虫になった気分で想像する。
まっすぐに急降下したり、曲がりくねった細道に無理な直線を描いて、もの凄いスピードで駆け抜けることがやりたくてたまらない。ああこの感覚だ、と。
無意味な疾走に頭を空っぽにすることは白けて考えるとバカバカしいが、他では得難い強烈な快感と興奮がひっそりと待っているのは知っているからだ。その一か八かの興奮と快感を手に入れるためには、多少の困難も気にしないし、もしくはそれが『あの坂道を上れば海が見える』的じじくさい陳腐で自己陶酔的な苦悩であろうと、気持ちが一心にこもっているから頑固で脇目もふらないほど一途で必死なのだ。(その点では偶像崇拝者や宗教心に対して否定などできない)。そこにたどりつくまでは重要な「試練」か、課せられた「重要任務」のように手堅いものとして受けとめている節がある。
スピード狂の私もそうである。繰り返す毎日の生活の中で、常に例の感覚を求めている。ただのゴールを。 ただの好奇心が原動力で。


エジソンロッカーズ7回目は、無事成功した。
青い部屋では客席との境界線がない分、ダイレクトに届くと臨場感がすごい。出演者の演奏/朗読は今回ハイレベルに感じられた。半年ぶりに青い部屋で演奏してみると、こんなにステージが狭かったっけ?というのを久々に味わった。
前日まで寝たきりだったせいで気が弱くなっていて体力が最後まで持つか不安だったが、くっきり聞こえて爽快で気持ちよかった。謎の紳士画伯ハギーもちょうどインフルエンザ中だったそうで、マスクをしてエロティックな女性の裸の絵を描いていた。さぞ苦しかっただろうにと思う。(お大事に・・。)
今回、最後に初の試みで「軽やかなる係争」と題した「椅子取りゲーム」が繰り広げられた。どうしてもやりたいねとエジソンに夏から相談していて、ようやくその時がきて実現したものだった。これはちょっとしたはじめて味わう興奮と感動だった。
私たちDSMメンバーはこの日のためにDARKSIDE HORRORSという覆面バンドを結成し、特別に用意した動物のマスクの下には黒いアイラインで目の周りを塗りつぶし、黒いマントを身につけ、ウルトラQのテーマソングで登場し悪魔の曲を演奏した。私の中では、かつてダムドがNAZ NOMADアンドナイトメアズという変名バンドでゼムやリッターとかシーズをカバーしていたことを思い出し、なんとなくそんなイメージも勝手にあった。
フロアタムを連打しながらシンバルをジャシーと時折鳴らしていると、人々が儀式のように不気味に輪になってグルグルとイスの周りを回っているのが見えた。照明はステージの方が明るく、薄暗い客席では私達の演奏に合わせてゆっくりと時計回りに奇妙な集団が回っているのだった・・・!人々の影は怪しかった。ネロ皇帝はその光景を前に、理性を失ったのか群衆支配者の錯覚をおこしたのか、「さぁまわれ〜〜〜まわれ〜い!グフフフフッー」と興奮してマイクで叫んでいた。息切れ切れになって叫んでいる欲にまみれたネロのどす黒い声色に触発されたのか、私も次第に口元がだらしなく歪みはじめ、回っている黒い影たちに見とれながら静かに熱く興奮していた、その光景をまるごと切り取って持ち去りたい衝動が押さえられなかった。今も書きながら、壁の柱によっかかっているのがやっとなぐらいだ。想像すると興奮してくる。
そんな調子だったので、演奏しながら危うく本来の目的を失いかけそうになったが、ハっとして前を見ると、「止めようか!」とルーシーから合図が送られて来ていた。おっと!そこで慌てて演奏をダン!と止めると、悦楽共犯者たちの黒い影がぞろぞろっと小さくうごめき、遠慮がちながら凄まじい本性が見え隠れしてイスの奪い合いが起きた!!その怪しげな光景は、息をのむほどに個人的にこの日のハイライトだった。
そもそも、イス取りゲームのBGMに生演奏を用いるというのは、実はある別の狙いがあったようだが(エジソンロッカーズサブタイトル参照)、実際、曲の何でもないヒラの部分で突然演奏を止めるのはやってみるとかなり難しかった。(やっぱり最後まで演奏したくなる・・)3曲ほど演奏して曲中で不意に演奏を止め・・を繰り返し、最後の決勝戦ソングはイスを1個に残して、サーフィンバードを演奏した。緊張の一コマである。ここでリヴァーブとディレイを最大限にマイクにかけるようPAのISABONに前もってお願いしていたのだ。私はすでに目の前の光景に対する興奮で頭がポーーとなっていたが、ここで失敗は許されない。皆でマイクで「サーフィンバーードー。グエーーーーーェェェエ。アパパパパパパ・・・・・パパウーミャーミャーパパ」とヨレヨレの体から振り絞った精一杯の奇声をあげた。(狂暴性は少ないが、狡猾ではあった。)そして一人の勝者が決定した。エジロカの常連のキュートな外国人の女の子ジェリー(?)だった。エジソンが彼女をステージまで呼んだ。エジソン英語で「勝者のコメントをどうぞ」みたいなことを言いながらマイクを向けると、彼女は流暢な日本語で「イ・ミ・フ・メイ(意味不明)」とカワイく言い放った。ずこーー!であった。混乱の中の軽やかなる係争(輪舞)はドリフ的な笑いとエジソンの活弁をもって、無事終了した。

そういえばそれにちなんで思い出したこと。最近テレビをつけると、自衛隊のPR番組が目につくのだが、あれは何かムシャクシャする。いつからか大河ドラマ並みに感動的に自衛隊の生活特集番組が毎日お茶の間に届けられているようだ。「私達国民のために自衛隊は今日もこんなことやあんなことして頑張っているんですよ」と、うっとおしいぐらいにアピールしているのだ。(じゃあ見なければいいじゃん、と自分で突っ込みを入れながらも、食い入るように見てしまった)軍隊を正当化して戦争賛成論を人の情から訴えかけている。あのウイルスに似た気味の悪い悪寒がした。
その日見たのは一人の自衛隊に入隊したての落ちこぼれの若者にスポットをあて、「足をくじかないで空から着地する落ち方の試験」に落第しつづけながら、偉そうな自衛隊のお偉いさんからは毎日大声で「貴様ッー!おまえのせいでみんなが迷惑しているんだッ。この野郎!」ときたない言葉をバンバン浴びせられ、それでも屈せず努力して黙々と頑張っている様子が放送されていた。きっとあの自衛隊員の親御さんは涙しながらビデオ録画して永久保存版にしているであろう。(自然で当然なことではある。)誰もが同情しながらテレビに向かって彼に声援を送りたくなるような内容だった。一見、一人の若者が悪戦苦闘しながらも成長していく姿は感動的だが、ヒューマニティックな道徳心を逆手に取って(ごまかしながら)自衛隊よいしょが見え見えで、やっぱりヘドをもよおした。見終わると、やはりとても嫌な気分になった。
アホくさい北朝鮮ニュース番組の報道(長髪なだけで「非国民」だと道ばたで非難を受けるという)をやっていたとき、テレビのキャスターはかなりバカにしていた語り口だったが、その後で微笑ましい応援口調で自衛隊の成長記録を報道していたので厚かましさにあきれた。どっちも催眠術的暗示みたいなものじゃないか。群衆心理を操って一種の無意識な重圧的基盤をつくりあげているという面からみればどっちも同じ、原始人と野蛮人ぐらいの違いしかない。


I Can't Stand Myself ( James Chance & The Contortions )


2月12日 インフルエンザB型

ハローこちら秘密クラブ改め寝たきり老人クラブ会長JUNKです。

おとといの夜、急激に容態が悪化し39度の熱がでたので、様子がおかしいと思って深夜の緊急病院に駆け込んだところ、インフルエンザB型が検出されました。数日前に行った病院ではインフルエンザは検出されなかったのは、どうもそれは潜伏期間だったからのようです。ルーシーにも慌てて電話し、すぐに病院に駆け込むよう伝えると、やはりビンゴでした。今あの「シリの一発」の痛みを思えば、あれは一体何に効いたのだろうかと悔しくなってきます。

今流行のインフルエンザについて、簡単に医者の説明を受け売りすると、
インフルエンザの感染期間は高熱が終わったあとの2日間だという。

というわけで、インフルの熱が下がったからといって、ヤッター!と会社や学校に行ってはいけません。
3日間は自宅で療養しなくては、ウイルスを辺りにばらまくことになるそうです。それで今こんなに流行っているんですね。 私もそれでやられた口なので、声を大にして言いたい・・。
インフルにかかった奴は表に出るなー!
私も医者から熱が下がった後の外出を固く禁じられました。

はい。というわけで、関係者の皆様、しばらくは寝たきりになりますので、ごりょうしょうください。といっても熱には割と強い私なので、38度なんてヘのかっぱです。全身がフワーっとして、持ち上げられて気分はわりとよいです。ただ寝てるだけの毎日はヒマでしょうがないのです。しかも悪夢ばかり・・・・。こうやって起きてる方が精神的に楽だったりします。でも馬鹿かといわれるのも少々むなしいので、おとなしくまた寝るとします。現状38度線で戦っています。いつだって不可抗力スリリング&ホラーが好き。
ではまた来週!


2月10日  意識もうろう376回転 はなたらし


1月に入ってからのライブは、これまで3本全部初めての場所。
はじめての場所はそれなりに緊張する。でも興奮もする。
ステージから見える光景も、ライブが終わったあとの景色も全部はじめてずくし。
自分ではいいライブができたのかどうだか初めてすぎてよくわからない。
中音が全然聞こえなくて、実感ないまま音の洪水に飲まれて終わること多々ありき。あー失敗に終わったか、と思ったりする。が、その後、出演したライブハウスから電話がかかってきて「素晴らしかったです」とかわざわざ言われたり(大塚レッドゾーンさんありがとう)、ここんとこ毎週末、ライブだったけど、ライブを1こやるごとに、知らない箱の人が見に来ていて次のブッキングが決定していく。
なんだかよくわかんないけど、これって前に進んでいるってことなのかな。けど、ライブが終わるとだいたいいつも「くっそー!」って思って落ち込んでしまう。みんな「レコーディングして音がよくなった」、っていってくれる。嬉しいんだけど、ちょっぴり心苦しくなる。だってレコーディングぜんぜんしてない。ひぇぇ〜。レコーディング費用を貯めるまで、続きの録音ができない・・がっくし。はやく音をとりたいけど、お金ないから無理なのだ。その分、しっかりイメトレその他に時間を割いているけれど・・・。はてさて、どうしたらよいものか。

5日のライブは映像とのコラボという企画。遅くなったけどライブに来てくれた皆さん、どうもありがとう。終演後、挨拶できなくてごめんなさい。(どなたが来て下さったのか、まったくわかっていません・・。無礼をおゆるしください)
今回のライブでは、いつも青い部屋のブルベでお世話になっているリザードメンこと宇治さんに私達のライブの映像をやってもらった。そりゃもうスペシャルなライブだった!青い部屋の20倍ぐらいの大スクリーンに映し出される怪しい映像。その中に包まれて演奏しているみたいで、あとでビデオを見てうっとり。やっぱり宇治さんの映像はかっこよかった。シュールな映像がひときわ目立ってライブを盛り上げてくれて、心から感謝です。

それにしても、 ドアーズは不思議な箱だった。まず禁煙。なぜに禁煙?!皆、タバコが吸いたくってうずうずしてた。次にステージの構造。客席からぐるっと回り込んで長い階段を降りきって左を向けばステージ。そこでクラっと視界が歪む。私だけでなくルーシーやネロもリハの時から、なんかここクラっとするねーと言っていた。私が思うに、ここだけの話、風水的にどこかまずいのではないだろうか。特にステージのそでのミニスポット。あそこはただ立ってるだけで、地震を感じているような妙な小刻み/揺れを感じた。あれは一体・・・。もしや自分のいつもの貧乏揺すりなだけだろうか?・・・いやどうもそれとは違う気がする。
というのも、ドアーズのHPに「エクスペリエンスしてください!」と意味深に書いてあった。本当にそんな感じ。ステージに立った瞬間、何かグランとしてボーっとしちゃうあの感覚は、エクスペリエンス以外の何者でもないだろう。ジミヘンのそれじゃあるまいし!次回も宇治さんとやりたいな!

実はライブが終わって気が抜けたのか、2.3日前から大風邪をひいて寝込んでいます。ルーシーもおなじく。このタイミング、たぶん出所は一緒だろう。
昨日一緒に主治医の元に行き、おしりにでっかい注射を刺してもらってきました。
さすがに痛いと思って、人差し指のはらに親指の爪を強く当ててわざと痛みを感じながら、痛みの意識分散を試みてその時をじっと待った。しかーし!ブスッとされたとき、まったく爪を押し当てた痛みなど全く太刀打ちできないほどの強烈な痛み!!右足の先がビリビリしびれたほど。
チンケなんだよ、と誰かの吐き捨てる声が聞こえた気がして、そっと看護婦にばれないように手の力を緩めた。たしかに。安っぽい防衛手段に「・・・なんてチンケな。」と自分でも思った。ぐったりと注射が終わるまでのひとときに身を任せたのち、ルーシーと「しりのあの一発は効いたね〜!」と言いあいながらフラフラと外に出て解散〜。
あれで治ったと思ったら、そう甘くはないらしく、1日経ってもまだ全然熱が下がらない・・・・。解熱剤、効いてんのかっ!と思う。いつ測っても、ずーっと同じ数字。37.6度の壁は厚い・・・。
しばらくは、おとなしくただ寝るしかないのか・・・。気分的にはこれぐらい体がダウナーな方が逆に頭が冴える気がして調子いいんだけどな。(といいながらも、鼻水がススススーーーーーッ!)
ではおやすみなさい。みなさんも風邪には十分気をつけましょうー!


1月27日 ここ最近


勢いよく飛び出したはいいが、飛び出しすぎて変なところまでいってしまった。

今日はいつもと違う道が気になり、初めての道を通って新鮮な気分を味わっていたら、近所なのに道に迷ってしまった。なかなか家にたどりつけず、グルグルと住宅街を自転車で徘徊する。寒かった。

生身の体には常に限界がつきまとう。でもそれが一番好きなことなのかもしれない。
いいか、悪いかなんて別次元なのだろうな。
今はやれることを少しずつやっていくだけにしようと思う。
今日は2週間ぶりにリセットデー。いろいろ考える。この1月は毎日出っぱなしでライブ三昧だった。

ここ最近の出来事といえば、この間、JON(犬)さんと家の近所でお約束し、ルーシーと一緒にお茶を飲んだ。ミラーズは結成当時からJONさんにお世話になっている。ベースがいなくなってしまったとき、ジョンさんのタロットカードで死神のカードが出て、「向こうから第四のミラーズがもうすぐ来る」と言われたので、善は急げで「死神ジョー募集!」の告知をウェブにすぐ出したぐらい、頼っている。その数日後、ベースレスでライブをやったその日に本当に死神ジョーは向こうからやってきた。ほんとにこわいぐらい当たっちゃうのだ。ジョンさんは今年10周年で、この間記念の逆トリビュートを出したばっかりだ。すごいな。ジョンさんの曲をカバーしてるアルバムもヘンテコワールド全開で面白かった。別の人がやってると、また新発見がたくさんある。今回出たやつは、カバー返しなんだけど、もういきなり魅惑のジョンワールドに連れて行かれちゃう。今度こそは一緒にライブをやりましょう!!という約束をした。年内に叶えたいなぁ。
ジョンさんと話をしたら、嘘みたいに悩みの種が消えた感じ。とっても不思議な人だ。
それから数日後、ジョンさんに深夜1時の秘密のパーティに誘われたのでルーシーと遊びに行った。森の奥でオルガンを弾きながらジョンさんが歌っていた。その景色がドリーミーで最高だった。現実から一歩踏み外したら、いつもこんなキュートでシュールな世界にフワンと行けたらいいのにな。目に映る風景にドギマギしながらジョンのメルヘンホラーな世界に癒される。

それから数日前は、ブルベにダビデチオの黒ダビデ・ソロを見に行った。飛び入りの弾き語りだ。目を閉じて聞いたら、黒い海とピンクのカーテンが浮かぶ。変な組み合わせだが、とてもしっくりきて心地いい。そりゃそうとダビデチオのアルバムが昨日出たばっかりではないか!私にとって彼らの音楽の魅力は、ピュアで突き抜けてゆくあの爽快感にある。ライブを先に見てるから特にそう思ってしまう。はやくゲットせねばならぬ。

それから宇治さんの個展のお誘いを受けて、ルーシーと行ってきた。ネロと三人で行く予定だったが、相変わらず社長業が忙しいらしくキャンセルに。リザードメンの今回のテーマは、「存在」と「無」だそうだ。ギャラリーQに行ってびっくり。今まで見て来た作品と全く違った世界に想像を100パーセント裏切られた。真っ白な世界に、浮かび上がる色。前の作品と全く違う。ブラックホールの一番奥が「真っ白な世界」だったというナサの発見を前に興奮して書いた事があるけど、その驚きの感触に似てる。えええ!!!だ。暗黒なイメージはどこにもなく神秘的な白い光に包まれた美しいだけの世界があった。だけどそれが変化してる!!常にぐにゃぐにゃと。

昔から永遠というものに、あこがれていた。とてもきらびやかな響きがするから。何かを失うのもこわい。別れだってつらい。だから時が止まってほしいと願ってしまう。特に楽しいときは!
目の前で悲しいニュースが起きたときにいつも思うこと。幸せのカタチが崩れるとき。ロクゼットの写真を見ながら思うこと。
前に宇治さんが、「今が永遠」だといった。私はそれを「魔法の呪文」とした。「今が永遠、今が永遠・・・」と何度も頭で繰り返してみたけど、やっぱり胸は苦しくなった。後ろを振り返れば、「今」という永遠が既に過去になって流れていく気がしたからだ。そう考えたら、永遠なんて過去の産物。今、存在しないなら永遠じゃない。やっぱり幻想の中でしか存在しないんだと思った。
でも。現実の中で、 いつだって時だけは、いつも流れている。だれにも時を止めることはできない。じゃあ、この流れゆく時の中で、たとえば永遠が「変わらないこと」だとしたら、時に反して既に後退していることになってしまう。じゃあ反対に、変わること。自分の周りや状況が変化していくことは自然。新しい変化を求めることも自然なこと。変化を受け入れることも。とすると、この時の流れに乗って変化していくこと、未知に向かっていくことが永遠なんだろうか。わたしは永遠をつかみたい。うまく言えないけど、宇治さんの作品を見たら、新しい気持ちになった。新しい「永遠」のイメージがうまれた。作品が家に届いたら、部屋に飾りたい。

昨日は、青い部屋にハッピーディスパッチというバンドを見に行く。かねてから、ミラーズへ対バンのお誘いがあり、ラブコールを受けていたのだった。初めて見たライブは想像を越えていた。特にボーカルがNYパンクそのもので、動きからもうやばかった!まるで70'Sのパンクス(よくあるインチキやまがいものではなく。真性だ。)イカレ具合がめちゃくちゃカッコイイ。ライオットガール、ナチさんのベースもクール。こないだNYのライブから帰って来たばかりということで、いろいろ向こうの話を聞いた。夜行性のトカゲ人形とジャンクフードのおみやげをもらってハッピー!終演後、ボーカルのYOSUKE君と意気投合して友達になる。なんでもミラーズのライブを何度も見に来てくれてるんだという。嬉しかった。ノーニューヨークみたいだとか、???な部分をいろいろ褒められて、変にこそばくなった。リンクレイやスーサイド話で盛り上がるも、その流れからラモーンズ話に行き着くと、やはりちょっとセンチメンタルになってしまった。帰ってそのまま爆睡。

ここ最近、毎日たくさんの人に会って、会うたびに刺激をもらって、家に帰ったらバタンキューの生活。ライブの打合わせやらレコーディングも再開準備を整えたり、ミーティングごとがたくさんあって頭の切り替えが忙しい。でもまだ会いたい人がたくさんいる。どうしよう。
もう1人、体があればいいのにな。
今日みたいにゆっくりと家にいる一日がないと、頭だけおいてけぼりになりそうだ。

She's Got Everything ( The Kinks )


1月3日のんびりしたお正月

元旦の夜、大晦日に出た高熱が下がっていた。一晩で撃退できた。我ながら恐るべし回復力。ギンギンゴンギギンゴー!
だが、ぶり返しをおそれ、静かに部屋に引きこもる。それからおせち料理をたらふく食べては寝ての繰り返し。のんびりとしたお正月だ。プレステ2から遊ばれる。
時間がひっくりかえってひっくりかえって、今日起きたのは夜の9時。寝たのは昼の1時。ひどい・・。ここまで狂うとなんだかよくわからない。ああそろそろ労働者生活を戻さねば・・。運動不足を解消するため、廃墟のような深夜の下北を歩く。どこも閉まっているが、しぃ〜んとしたひと気のない街は穏やかで、気分が安らぐ。深夜のパトロールを終え、帰宅。

今年は酉年ということで、飛ぶ。遠慮なく飛ぶ!家を揺らして飛ぶ。気分がいい。
鳥にちなんでヤードバーズを手当たり次第に聞く。LSDという聴いたことのないヤードバーズ実験ソングを聞く。延々と同じCのリフが7分試行錯誤で繰り返され、ミーミーミーミ、ミ、ミ、ミとやっている。息切れのままその場で駆け足しているようなジミーペイジ実験の場。何を考えてわざわざ「ミーミーミー」とかわいい痙攣(まるで、攻撃性をなくしたSUICIDE)のようなことをしたかったのだろう。意外で興奮した。でもやっぱりFOR YOUR LOVEがいいな。
それからRoadrunnerというタイトルの曲ばっかりをたくさん聞いた。ルーリード&プリミティブズやジョナサンリッチマン、チャック&ボー、プリティシングスにストーンズに・・・鳥といってもラン「チキン」ランやラン「クック」ランや色々あれど、この曲タイトルでリストアップしただけで30アーティストを軽く越えている。こんなにいたなんて!・・贅沢な聞き方である。
中でも特に思い入れが強いモダンラバーズのRoadrunnerを聞きながら、今年の抱負を思った。

去年は何かと控えめなことが多かった。年も変わっていい機会である。
もういろいろ我慢するのはやめた!遠慮なくどっぷりいくぞ。
始めよければ全て良し!終わりよければ全て良し!全部よしでいく。去年のように出だしに滑ったり吹っ飛んだりはしない。


1,2,3,4,5,6 飛び出せ2005年!



THE SAME THING ( MUDDY WATERS )



2005年1月2日 年の初めのご挨拶


あけましておめでとう!

私は、どんな時もシンプルなくっきりとした世界が好きだ。
それから、未知な世界、真っ暗闇の世界、赤い世界が好き。そんな出来事の体験記や、感じたことをこれからもここに書いていこうと思う。

まず自分の価値観や環境について。
たとえば、私は、一つの答えよりその答えが出る過程について考えたり分析するのが好きだったりする。だからなおさら、あなたの出した答えは、いつもスマートで斬新で、とても魅力的に見える。

私の周りではいつも何か面白い事が絶え間なく起きていて、歴史的な重要事件もめまぐるしく次々に起きている。

言葉について。
言葉というのは生き物のように裏腹で謎めいている。
自分の気持ちを相手に伝えるのに、安易で安っぽいチンケな言葉しか実際いつも思いつかなかったりもする。それで、共感しあえないことに、じれったくなる。
そんなとき、私は思う存分、ぶちまけたくなる。それは、ある人からみたら不器用でストレートな感情の爆発だったり、ストイックな行為であったり、はたまた硬派かつ古風な思考形態であったり、意味不明のパラノイヤ症候群の戯言です。
私の思考回路は時に突発的ですぐショートします。そして無意識にいつも感覚的な快楽だけを探求していたり、何か想像して頭の中でもう一つの物語を進行させることが日常の中での密かな楽しみで、いざスイッチが入る瞬間には必ず何かに「感電」してしまう単細胞な人間です。

私は、このレッドダイアリーを通じてたくさんの人と繋がってゆきました。私にとって、刺激的な出来事の連続で、去年はそんな1年でした。
ミラーズbbs、直に会った人、それから直接メールで、意見や感想を思いがけずもらうときがあると、私は静かに心の中で「!!」が出て、内心はもう興奮している。
そういうのって、なんかとても嬉しくてたまらないのだ。そういう楽しい討論会はいつでもどこでも大歓迎。ドキドキする!
もちろん、このレッドダイアリーは2003年から始まってからずっと、読んでいる誰かに向かっての「告白」である。個人的な秘密をこっそり共有できたとしたら、うれしい。
そして、ロックを愛する者として、私はここに、時に逆説的であるかもしれないが、これからも「YES! ROCK YES!」という自由意志の表明をここから発信していこうと思う。

読んでくれて、ありがとう。 そして、今年もどうぞよろしく!

This page is a part of JUNKO's RED ROOM©2005




ダークサイドミラーズ
DARK SIDE MIRRORS TOP PAGE

 

inserted by FC2 system